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【初心者向け短編講座】4 赤星講評①要約可能な小説は良い小説

 ついに、赤星香一郎先生のみこちゃん小説の講評が発表されました!

 この記事でお伝えしたいのは二つ。ひとつは、表題にありますように、要約可能な小説が良い小説の条件であるということ。もうひとつは、『THE NEW COOL NOTER賞』の講評はここまでやるのか……という自慢です(^~^)ムフー。

 えーまずは、主催者として、耳に入る声としまして文芸部門の敷居が若干高くなっている印象を受けています。そこを正しい形に直すところから。

 なぬ(゚0゚)。プロのミステリ作家が『THE NEW COOL NOTER賞』文芸部門の審査委員だと!応募はやめとこ( U_U)スタコラ。
 ということはないですよ(笑)。

この小説はエンターテインメント小説というより、純文学だと思うので、私が審査するには荷が重いのですが、純文学はみこちゃん自身が審査委員をしているので、私が講評させていただきます。
もしかしたら、エンターテインメント小説としての講評になってしまうかもしれませんが、ご了承ください。

 という感じで、赤星香一郎先生は大変気さくで優しい方です。でも、プロでありますし、ここは全部門の審査委員にもお願いしていますが、お世辞を言ったりすることはいっさいありません。

 きちんとした言うべきところを言わないで褒めるだけっていうのは、みこちゃんグループ即破門じゃーの掟がありますので、これから自分の創作の方向性をきちんと見つめるための手がかりをぜひつかんでください。

 私はこのいただいた講評で、数ヶ月か数年の自分の課題をすでにつかみました。

 最初に赤星さんに全体を要約しつつ、印象を書いていただきました。

感動して泣ける作品である。
高校三年生になっていじめを受けるようになった主人公が、両親に悟らせないように、急に明るく振る舞うようになる。
カメラが趣味の父親は、デジタルカメラに馴染めず、主人公が思春期に入ってからは写真を撮らなくなっていたが、主人公が急に明るくなって以来、再び写真をたくさん撮るようになる。
そして主人公がいじめに耐え抜いた卒業式の帰りに、両親も明るく振る舞う演技をしていたと聞かされ、主人公は泣き崩れる。
やがて父親が「デジカメってのを買おうと思うんだ」と言う。父親と話していた主人公は、今までのように演技ではなく、自然に両親と話せていることに気づく。
家族三人の演技はこれで終わり、家族は未来に向かって新しく歩き始める。

 感動して泣ける作品を書こうと思ったので、そこを評価していただいてとてもうれしいです。そして、応募者の皆さまにぜひ留意していただきたいのが、赤星先生は私のこの小説を、おそらくさほど苦労もなく要約してくださったと思います。

 といいますのは、小説もどき小説というのは、要約不能なんですね。いったいこの小説はなんなんだろう…。という小説は要約が不可能。要約されてたまるか、とかではない(キッパリ)。腹落ちする、腑に落ちる。これが小説では非常に重要です。身辺雑記ではないのです。思いついたまま書いた身辺雑記、自分の美意識アピールは要約不可能です。

 私は少なくとも身辺雑記に会話文を放り込めばいい、とは思って書きませんでした。

 最初の方に張ってあった伏線は、こういうことだったのかあ……これもなんというかな、要約欲をかきたてます。自分は一体何に感動したんだろう、どこに惹かれたんだろう。もう一度全体を反芻したり、読み返したくなったりします。これがない小説は小説とは言えない。

 講評、批評とは、自分が読み取ったもの、感動したところを自分で点検する作業です。全体はこうだったよな、そして、自分は読後感がとても良くて、どこに感動したのか自分で点検したいと思う。

 審査委員にこう思わせたら、もう合格点だと思いますよ。

 それは言い換えればこういうことです。

最後に、私が最も共感する点。
「この小説で作者がなにを伝えたいのかがはっきりしている」
ということだ。
一般的に言う「テーマ」だろうか。
これがない小説は読んでいて苦痛でしかない。
読み終わった後、「なにが言いたかったの? ただ単に文章が書きたかっただけなの?」になってしまう。
そういった意味では、この小説は骨子がしっかりしていると思う。
骨子のしっかりしている小説は読後感がよい。

 軟体動物のように、くねくねと何いってんだか分かんない凝りに凝った(と本人と、エセ審査の人だけが思っている)小説は小説ではありません。

 要約できるということは、骨子があるということです。つまりこういう順番なんですよ。

1.この小説いいね!一気読みしちゃうぞ

2.すごく良かった。自然と最初から最後までが頭に浮かぶ=要約

3.自分はどこに感動したんだろう。この自分の感動を言葉にしたいな……と自然に思う

4.評者が言葉にする

5.言葉にすることで読者の自分自身もう一度作品に感動する

 このプロセスがないと講評にも批評にもなりません。

 みこちゃんは、点検作業としていつも、自分自身で書き終わった後に要約しています。それができない場合には失敗していますので、作り直します。自分で要約できない作品は他人も要約できませんね。感動したのはどこだったんだろうと、点検することもできないしそんな気にならない。無理に目をつぶって鼻をつまんで感動したふりをするしかない。

 無意味です。

 ぜひ、書き終わったら自分で要約してみてください。きっと課題が見えてくると思います。

 クスンしちゃうぞ。赤星さんにはそう言っていただけました。うれしいことです。

 トップ画像は、またゆうのうえんたんの、みこちゃんモデル画像です。コピーはゼロの紙たんに作ってもらいました。
 最近は赤ちゃんと幼児画像に変えてしまったのですが、ちょっと前までスキした時にでてくる画像を、数ヶ月前のリアルみこちゃん画像にしていたのでそれを思い出してくれたのでしょう。やっぱり似ている。
 イラストレーターさんがどこをどうやって、特徴を捉えるのか…。みこちゃんには神秘的です。大変興味深いです。


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