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ちょうどいい「好き」

若い頃、パラグライダーをやっていた。
きっかけは、スポーツ体験旅行。
乗馬とラフティングとパラグライダーを体験する旅行に友だちと行った。
その時、パラグライダーだけ風の向きが悪くて体験できなかった。

心残りだった私は、ひとりでもう一度、車で片道3時間かけて、パラグライダーの体験に行った。
体験は予想以上のもので、私はそのままスクールに入り、7年間パラグライダーを続けた。
沖縄や海外にも毎年のように飛びに行った。
新しい人間関係も楽しかった。
でも、ある時急に、自分には、風を読む力が足りない、これから先も飛び続けるのは無理だな、と悟って、すっぱりやめた。

あの衝動はなんだったんだろう、と今でも思う。

行き詰まっていた日常から自分を切り離して、逃げ場、居場所が欲しかったのかな。
学生時代は自分のことを、消極的で人に合わせてばかり、と思っていたが、この頃から、外に目を向け行動できる力が出てきた、その一歩だったのかもしれない。

私はジェットコースターは大の苦手だった。
すごいスピードで降下して、ポーンと空中に置き去りにされるような感じがとてつもなく怖い。
でも、パラグライダーの、坂を走って行くと一瞬の風にのってふわんと浮きあがる感じ、大きなハーネスに包み込まれてゆらゆらと浮かぶ感じは、すごく落ち着けて、心地よかった。

パラグライダーをやめて地上に戻った私。
気がつけば、家の庭にはブランコ、部屋にハンモックを置いている。

私にとっては、大きな空よりも、安定した場所で、ゆらゆら浮かんで揺れる自由さが落ち着く。
無心になれる状態は、揺れる瞑想なのかもしれない。
好きな世界は大きく広がっているけれど、その中で、自分にとってちょうどいい「好き」に、着地できていたみたい。

#書くチャレ   #自分軸手帳   #自分軸手帳部






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