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ドイツのディスコバス②

前回の記事続き…


衝撃のディスコマン(ドイツの普通路線のバスの運転手)

2度目にディスコマンに会ったのは

衝撃のあのノリノリの日の

2〜3週間後だった


あの後はディスコマンを見ていなかったので

私がバスに乗る時間帯がまちまちなせいか

もしくは

彼の自由奔放さに

本当にクビになったのでは…

と思っていた


今回、ディスコマンの運転するバスは

音楽と共に登場しなかったので

ドアが開くまで

運転手がディスコマンだとは

全く気づかなかった私


不意打ちでディスコマンだったので

逆にビックリした(笑)


今回は若干テンション低めのディスコマン

今回はバスのドアを開けるとともに立上りはしないけれど


相変わらずのノリノリ挨拶

"ハリー!ハロー!"


乗客一人ひとりに言うところで

彼の社交的な面がよくわかる(笑)


バスは普通に発車した


かかっているラジオで

彼のお気に入りの曲になったときだけ

音楽の音量がかなり上がるけれど

前回のディスコ状態の車内とは

比べ物にならないくらい

至って普通の

"ちょっとノリの良いテンション高い人"という感じだった



前回のディスコマンを知っている私としては

今回のディスコマン

かなりテンション低いのだけどね


さすがにあの前回のディスコバスは

会社から怒られたのかな…

そんな事を思った


それから何回か見かけたけれど

だいたいいつもそんな感じで

ノリも感じも良いのだけれど

ディスコマンにしてはテンション低め

(普通になったとも言える(笑)


そして月日は流れ

今年の暑い夏の日のこと


ディスコマン(運転手)のいるバス路線を

数カ月使っていなかったので

彼の存在を忘れかけてた頃のこと

これまでと全く違う路線で彼に会った


ドイツの夏はすごく暑くなる日が少ないので

バスや電車でエアコンがかかる日もそんなにないし

だからちゃんと設備や点検されていないのか


かなりの確率で

壊れていてエアコンがかからない


しかも

電車もバスも窓が開かないので

たまに暑くなると

車内はまるで地獄のように暑くなる…


その日のディスコマンバスも

例の通りエアコンが壊れていて

上の方のちっちゃい窓しか開かない車内は

暑く暑く暑く…

乗った瞬間に降りたくなるほどだった


始発駅だったので

出発時間まで止まってる間

前方と後方の乗り降り口のドアが全開なのがわずかな救いだった


それにしても暑い
(その日は33度くらいだった)

その暑させいか

若干イラついているように見えるディスコマン

ご存知の通りドイツは暑い国ではないので

多くのドイツ人は暑さに弱く

そして暑くなると

ぐったりならまだしも

ドイツ人は高確率でイライラしてる


そんな中

私はディスコマンの自由奔放さを

ここでまたもや体験したのだった


出発時間になり

バスにエンジンがかかり

後方ドアが閉まる


…?


閉まったのは

後方ドアのみ


そして

前方ドアは開いたまま

バスは走り出した…


え!?…


ゆっくり走り出したバスが

バスロータリーで他のバスとすれ違いざまに

他の運転手に笑いながら言われる

"いくら暑くてもドアは閉めとけよ!"


そう言われたディスコマンは

全く表情を変えずに

一瞬目線を他の運転手に持っていっただけで

何も聞こえなかったかのように

そのまま走り出した


同僚の言葉を

完全に無視!!!



バスはスピードを上げ

車内にはいい感じに風が入ってきた


用心深い私は

頭の中でシュミレーションしてみる…


今、前方ドアが開いている

最前列の前には分厚いガラスがあるし、

前方に立ってる乗客はいないし、

開いてるドアに一番近いのは

運転手(ディスコマン)だけ…

万が一、急ブレーキや急カーブでも

うん、誰も落ちない、大丈夫!


そしてそのままずっと

前方ドア全開で、

バスは走って行ったのだった



ディスコマン…

暑すぎる夏の日を

いろんな意味で

涼しくしてくれて


ありがとう!!! 



相変わらず自由奔放なディスコマン

でも、彼の運転するバスに

ベビーカーを押す人や小さな子供

助けが必要なご老人が乗っている時

ディスコマンは他の乗客にベビーカーやご老人のための場所を空けるように声をかけて

その後もかなり気をつけて運転する

心優しいひとでもあるのだ


(2018年10月のアメブロ記事に加筆)


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