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おじいちゃんカテキョー@オンライン、最高にして最強!

長引く休校にどんどん楽しくなくなる親子

緊急事態宣言の発令と共に、私のお店は休業となり、学童は当所自粛。小4と小1の二人の息子と朝から晩までベッタリの、今まで経験したことのない日々が始まりました。

まずは本人たちと相談して、一日の時間割を作り壁に貼りました。が、まもなく時間割の拘束力はゼロであることが判明。読書はLaQに変わり、ピアノの練習は後回し。学習の時間は短縮し、遊びの時間は平気で延長する。読書してるかと思えばマンガで、やっと勉強し出したかと思うと兄弟でちょっかいの出し合い、またはケンカ。

さらには、仕事でオンライン講座を開講中、画面に向かって「どなたか質問ありませんか?」と問いかける私に「ハイハイハイッ」とか手を挙げながら近づいてくるわけです(マジで勘弁してほしい)。Official髭男dismの『Pretender』や『宿命』、平井堅&あいみょんの『怪物さん』を二人で高らかに熱唱し続けられるのも、ほんと仕事中は最高に迷惑なレベル。どうにも集中できず、「お願いだから静かにしてっ!」と叫んだ10秒後にはもうしゃべり始め、なりきりごっこ遊びがどんどんエスカレートして雄叫びに。修行が足りないと言われればそれまでなのですが、かなりの確率で思考が止まります。

やがてマスキングテープで貼った時間割が粘着力を失い、何度も何度も床に落ちるようになったので、なんの意味もない時間割は惜しげもなくゴミ箱に捨ててやりました。もはやガミガミ言うのさえ面倒になって(精神衛生上よくないし)、子どもたちはダラダラとメリハリのない毎日を過ごすようになっていったのです。

「今日はこれをやってね」と教材だけは与えるのですが、”なる早で済ませて遊ぶこと”しか考えていないのが常。丸付け ⇒ さんざんな点数 ⇒ やり直し ⇒ 理解できるまで徹底指導の一連のプロセスにかなりの時間を取られるようになり、なんだか楽しくない時間だけが日に日に増えていくようでした。


3K人間の父、疲弊した親子の救世主に

休校が長引くなかで、このメリハリのない毎日をどうにかしたい。親も子もこれ以上疲弊したくない。でも、親じゃ限界・・・となったときに、ふと浮かんだのが静岡にいる一人暮らしの父、76歳。「そうだ!毎日大好きなおじいちゃんとの時間を作れば、少しはシャキッっとするかもしれない」と思い、さっそくFacebookのメッセンジャーで相談しました。

「おはようございます。ちょっとご相談です。子どもたちは変化のない毎日で、勉強の時間も若干だらだらし始めています。たとえば毎日(平日のみ)決まった時間にzoomでオンライン授業をやってもらうことは可能でしょうか?苦手なところを中心に・・・。問題はこちらで用意できます。」

「お父さんは、話すのが苦手で頭の回転が鈍くて、うまく対応できるかどうかわかりませんが挑戦してみても良いです。ズームも使ったことがないので、こちらから学習ですね!」

「ありがとうございます。おじいちゃんに教えてもらいたい?って聞いたら『うん、うん』って言ってたので、親が教えるより耳を傾けてくれるのではないかと期待しています。ズームは簡単です。こちらからリンクを渡すので、画面に従って参加するだけです。資料も画面で共有できます。」

さすが、いくつになっても向上心、向学心、好奇心旺盛な3K人間の父。このやりとりから2日後に、めでたくおじいちゃんカテキョー@オンラインがスタートしました。


いとこも誘って一緒に勉強

一日目は、父がzoomの操作に手間取り、音声が出ない、画像が出ない、結局はスマホを使ってなんとかするという微妙なスタートでした(とはいえ、自力でなんとかするだけすごい)。一方の息子たちは画面に映る自分が面白いのか、問題に集中しない場面もありましたが、大好きなおじいちゃんと楽しく課題に取り組めた様子。

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そして二日目。さすが元エンジニアの父(といっても、自動車のだけど)。すんなりパソコンで参加してきました。ただし、教材はこちらから画面共有。息子たちもパソコン操作に慣れていないので(私の大事な仕事道具だし壊されちゃ困る)隣でつきっきり。結局時間を取られる悩みは解消しないものの、「今からおじいちゃんの時間だよー」と言えるメリハリ、「おじいちゃん、ぼくのこと見える?」という息子たちのはずんだ声、正解したときの「おー、そうだねぇ!すごいじゃん」という父の反応、どれもこれも貴重に思えました。

「◼️+◼️は?◼️◼️+◼️は?って聞かれたらすぐに◼️!!って答えられるようにいっぱい訓練するんだよ。そしたら文章問題ももっと時間かけずに解けるようになるからね」と言われ、今さら計算カード出して復習し出したのも、おじいちゃんのリモート指導の成果です。

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「シメシメ」と思ったとき、今度はこの貴重な時間を誰かと共有したくなりました。そこで思い出したのが、都内に住む弟家族。同じ小1の男の子がいるので誘ってみたところ、「おもしろい企画だねぇ」とさっそく翌日参加。いとこと競い合いながら問題を解く姿を見て、再び「シメシメ」。父にとっては思わぬサプライズとなり、オンラインであることも忘れるほど賑やかなひとときは、まるでお正月が戻ってきたかのようでした。

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三世代みんながみんなハッピーに

こうして我が家ではすっかり、おじいちゃんカテキョー@オンラインが日課になりつつあるわけですが、先日、学校からの課題の多さ(しかもまだ習っていない)について泣き言を言う私に、「学校の課題、写真に撮ってFacebookのメッセンジャ―にあげてもらえばいいよ。協力できるかも。教科書もあると助かる。どんな教え方になってるかわからないので。社会・道徳なんでもトライします。」と父。もともと"仏の山田"と呼ばれている父ですが、仏というより、これはもう民を救う神の域じゃないか。こういうときは頼ることも親孝行だと思うことにして、写真に撮った課題を遠慮なくごっそり送りました。しかも息子が苦手な3年生の漢字復習オプション付きで。

そして迎えた昨日、何も教えていないのに父の背景がバーチャル背景に(しかも父が撮影した富士山)。

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zoomの使い方もすっかりマスターし、父のほうから画面共有してくれたおかげで、いつのまにか私のサポートなくスムーズに進められるようになっていました。何より、親とだと「やりたくない~」「もうべんきょうなんかなくなっちゃえばいいのに」「まだこんなにある~~っ」とあんなにブーたれていた息子が、おじいちゃんとだと1時間半もの間、文句ひとつ言わずに課題に取り組んでいるのです。驚き。私はといえば、それはそれは大層仕事がはかどりましたとさ。

本当にありがたいことです。そして、何がすばらしいかって、みんながみんなハッピーだということ。

父「ケンシロウ、明日もやるか?」
ケンシロウ(小4)「うんっ!」

おじいちゃんカテキョー@オンライン、最高にして最強!


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