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守りながら、攻める。VCの新たな価値創造を行うポートフォリオ&パートナーシップマネジメントという仕事(と仲間募集)


こんにちは!ジェネシア・ベンチャーズにてポートフォリオ&パートナーシップ・マネージャーをしています、吉田実希です。現在ジェネシアでは新たに私のチームに加わってくれる仲間を探しております!

▼募集要項

この記事では私たちのミッションと日常業務について解説していきます。なかなか語られることのないベンチャーキャピタルのファンド管理業務、そしてジェネシア特有の取り組みについて詳しく紹介していますので、ぜひご覧ください。それではどうぞ!

なぜ、ポートフォリオ・マネージャーがVCに必要なのか?

ベンチャーキャピタル(VC)の役割として、スタートアップに投資し、伴走・成長支援するキャピタリスト業務が想起されやすいと思います。ですが、VCがスタートアップに投資するための「資金」はどこからやってくるのでしょうか?その鍵を握るのが、ポートフォリオ・マネージャーです。

VCのファンド資金は、機関投資家をはじめとする外部の投資家(いわゆるLP:Limited Partner)から集めたもので、そのファンド資金の運用受託者として特定期間運用し、その運用益をリターンとして分配することでVCは自分たちのビジネスを成立させています。つまり、VCが活動し続けるためには、起業家との関係のみならず、LPから資金を集め、リターンを返し、彼らとの信頼関係を築くことが欠かせません

2023年組合員集会にご参加いただいたLPの皆様

従来LPと対峙する業務は、VCの代表であるGP(General Partner)が代表業・投資家業と並行して行っていました。しかし、GPの業務は広範なため、常にファンド管理やLP対応を優先的に行えるわけではありません。一方、日本のスタートアップエコシステムが成長するとともに、VCに対するLPの目も肥え、求められるアウトプットや情報、コミュニケーションの質が格段に上がっています。日本のマーケットに対する海外LPの関心も高まってきており、今後その水準はさらに引き上がるでしょう。

VCが野心的な挑戦を続けていくためには、キャピタリストが起業家・スタートアップに向き合い各社の企業価値=将来的なリターンを高める活動を行うだけでなく、その活動の基盤づくりが欠かせず、それらを専門的に担っているのがポートフォリオ・マネージャーです。
と、ここまでポートフォリオ・マネージャーの説明をしてきましたが、実は私の役職名はポートフォリオ & “パートナーシップ” マネージャーなんです!なぜあえてパートナーシップという単語を入れているのか。この単語に込めた思いと理由を続けてお話しします。

VC群雄割拠時代に求められる「価値創造」。実現の鍵は多様なステークホルダーとのパートナーシップ

私がVC業界に転職した2019年依頼、国内のVC数・ファンド数は増え続けており(※1)、まさに群雄割拠な時代に突入しています。また、政府が掲げるスタートアップ育成5ヵ年計画など、スタートアップの経済市場におけるプレゼンスや期待が高まるほど、個社毎の成長ストーリーだけでなく、エコシステム全体における「スタートアップ企業の価値最大化」が求められるようになっているのを感じます。
※1 日本ベンチャーキャピタル協会 調査

エコシステム全体での成長を実現させるためには、投資家・事業会社・政府・地方自治体・NPO・NGOなどのステークホルダー、事業立ち上げに必要なナレッジやアセット、そしてファンをひとところに集め、スタートアップの可能性を最大化することが必要不可欠です。

ジェネシアは、2016年の創業当初から「産業創造プラットフォームを目指す」ことをミッションとして掲げ続けており、起業家に寄り添うだけでなく、ジェネシアがハブとなって、必要とされるアセットやコネクションにつなげるなど役割を広げてきました。まさに、今社会がスタートアップの企業価値向上への取り組みとして考えていることを、創業期から先陣を切って行ってきたのです。

【創業の軌跡】番外編 ジェネシア・ベンチャーズ/田島 聡一

産業創造プラットフォーム

このように、VCを取り巻くステークホルダーは、スタートアップとLP以外に広がっています。そして、「ファンドリターン=スタートアップ企業価値を最大化する」という目的達成のため、必要な協力者を開拓・関係構築できるVCの優位性や信頼度は今後ますます高まっていくと思います。

実は昨年までは、私の役職名にもパートナーシップの単語はなく、LPへの報告やファンド管理を中心とした「ポートフォリオ・マネージャー」でした。しかし、LP以外にもステークホルダーが拡大し、様々なステークホルダーとの架け橋に役割がアップデートされたことから、パートナーシップの単語を加えた「ポートフォリオ&パートナーシップ・マネージャー(以下、PPM)」と呼ぶようになりました。

「パートナーシップ」がファンド管理チームのミッションに含まれていることはジェネシア・ベンチャーズの特徴とも言えるでしょう。続いて、具体的なファンド管理チームの業務お伝えします。

特徴はファンドレイズとステークホルダーマネジメント。ジェネシアPPMらしさを感じられる業務ミッションとは?

PPMチームのミッションは、「ファンドの財務管理や支援先企業の支援を通じて、LP投資家からの信頼を獲得し、投資成績の最大化を実現させるとともに、スタートアップが挑戦し続けるためのハブである産業創造プラットフォームを具現化する」です。

具体的な業務として、大きく5つにカテゴライズできます。

最もベーシックな業務が、①ファンド管理です。企画寄りの業務ではあるものの、数字への感度を高く持ち、細部までこだわりを持ってミスなくやり切る力が必要です。

そして、②IR業務③決算対応と定常的に発生するタスクがあります。各ステークホルダーのニーズを汲み取った正確で質の高い情報開示を進めるとともに、ジェネシアのファンドとしての取り組みについてもしっかりと伝え、高いリターンを生む再現性を訴求していくことが必要です。

この①〜③までの業務は、一般的にもファンド管理ポジションのミッションに入っていると思います。ファンドマネージャーをはじめ、ファンドコントローラーなどポジションの呼称は様々です。

ですが、ジェネシアのPPM業務の醍醐味は、何と言っても④ファンドレイズ⑤パートナーシップ創造&マネジメントにあります。

④ファンドレイズは、一般的なVCではGPが行っていると思います。ジェネシアではGPとPPMが共に戦略を立てながら、PPMがアクションプランに落とし込み、LP候補にファンドの魅力を訴求するストーリーを描きます。ファンドの価値をLPに理解いただくために、粘り強い説明はもとより、財務面や投資先企業のビジネス状況などファンドに関わる知識を広く持ち、正確性と網羅性、的確性を担保したプロフェッショナルな対話を行います。ファンドにとって要となる仲間(LP)を巻き込む重要な業務であり、非常にやりがいのある業務です。

⑤パートナーシップ創造&マネジメントは、前段でも述べたとおり、VCとしての価値創造そしてジェネシアとしての「産業創造プラットフォームをつくる」というミッション実現のために欠かせません。新たなステークホルダーとのネットワークを開拓し、相手との関係性を深め、共に成果につなげる。ステークホルダーごとのスタートアップエコシステムに存在する意図や目的は異なるため、相手視点に立ったアウトプットや場作りを、チームを巻き込みながら作り上げていきます。

直近では、ジェネシアの他メンバーと共に投資先スタートアップとLPを繋ぐクローズドイベント「Genesia Business Hub」の開催や、投資先90社超のアンケートを元に「ESGレポート」を公開しました。様々なステークホルダーとの中長期的な連携・共創を軸に新たな価値を生み出すプロセスは、挑戦心をくすぐられるエキサイティングな仕事です。

Genesia Business HubでLP向けにファンドと支援先についてご紹介。
約50名のLPが参加してくださいました。

喩えるなら「フリーキックも蹴れるゴールキーパー」。当たり前水準を自ら高められるオールラウンダーこそPPM向き

ここからは、どんな人がPPMに向いているのかについてお伝えできればと思います。

まずは、採用情報にもまとめた「求める資質」を見てみてください。一つ気づくことはありませんか?

PPMに求める資質

実は、「高度な金融知識」といったスキルセットは入社時の必須要件ではありません。それ以上に大事なのは「PPMのミッションに対する情熱とこだわり」です。

私自身、ジェネシア転職前に在籍していた金融機関で培った専門的なスキルセットで活かせたものは限定的です。ですが、数字に対する感度やアウトプットの質を決して妥協しない、といったスタンスは大いに役立てることができました。

日々の業務は、華やかなことばかりではありません。むしろエクセルやデータベースと格闘したり、各ステークホルダーからのリクエストに応えたりと、地道な作業も多々あります。それだけでなく、数字一つのミスが会社の信頼失墜につながる業なので、ミスがないのを当たり前にしなくてはいけない緊張感に日々包まれています。ですが、求められている水準に達した上で、更にどのような付加価値をアドオンできるか。そんな思考を常に持ちながら、95点でも100点でもなく、相手(そして自分)の期待値を大きく上回るアウトプットを目指して切磋琢磨しています。そうした自ら高いスタンダードを課して、各ステークホルダーからの信頼を得るような動きを攻守バランス良く進めることがPPMには求められています。

社内ではPPMを「フリーキックも蹴れるゴールキーパー」と喩えたりもしていますが、当たり前水準の引き上げで「守り」を固め、戦略的な関係構築という「攻め」を仕掛け、チーム全体を巻き込みながら共創を深めていくという全方位的な役割です。逆に「与えられた仕事をきっちりとこなすことが目標」と自分の業務範囲そして業務遂行水準を閉じてしまう人にはマッチしづらいです。不確実性が無数ある中でも、使命感を持ってその環境を開拓していくことに面白さや喜びを感じられる方は、PPMに向いていると思います。

そして、「スタートアップが好き」ということもPPMには必ず持っていてほしい価値観です。読者の中には今までスタートアップと触れる機会が無かった人もいるかもしれません。ジェネシア入社前の私自身がそうでした。スタートアップエコシステムは、起業家・VC含め全員がポジティブで前向きなエネルギーの塊です。社会の負を解決していくんだというポジティブなエネルギーに圧倒され「この仲間に加わって、社会に価値を生み出したい!」という気持ちを強く抱き、あっという間にスタートアップに魅了されました。
また、ジェネシア自体も2016年に創業した約20人の組織なので、私たちもスタートアップと呼べる規模・成熟度です。大手の金融機関や事業会社と比較すれば、中は整備できていないことばかりです。そんな状況下で、「わからないことばかりだけど楽しもう・自分でつくっていこう」という前向きなマインドを発揮できる人は、PPMに限らずスタートアップエコシステムとの相性はとても良いと思います。

(左から)Associate 曽我部、Portfolio & Partnership Manager 宮原、Investment Manager 黒崎

\【採用宣伝】PPMになってくれる仲間を探しています/

現在、ジェネシアでは3つのファンドを運用し、運用資産合計は270億円になっています。

今年2023年3月に、3号ファンドの組成を完了させましたが、ファンドレイズのサイクルは業界では一般的に3〜5年周期とされています(ジェネシアも1号ファンドを2017年12月、2号ファンドを2020年10月に組成完了し、ファンド規模も40億円→80億円→150億円と着実に推移してきています)。3つの既存ファンド対応やパートナーシップ構築・強化だけでなく、将来のファンドレイズに向けて、国内外を対象に動き出す必要があります。

現在PPMチームは2名ですが、チームミッションである「スタートアップが大きな挑戦をし続けるための資金獲得と体制構築を行う」の実現のためには、より盤石で対応範囲の広いチームにしていくことが必要だと考えています。この概念図のように、PPMの攻め・守りどちらの業務もクオリティアップを図りながら、渦の直径を広げる=やることの幅を広げ、よりハイレベルな仕事を手掛けていくことをイメージしています。既存の枠にとらわれず、企業価値につながる動きを自分から生み出し、エコシステム内のスタンダードを作っていくような、ポジティブで巻き込み力のある方に仲間になって欲しいなと強く願っています。

より幅広く、よりハイレベルに!

今すぐの転職を考えていない方でも構いません!また、経験者自体がほとんどいないポジションなので、VC/金融業界の経験も全く問いません。(IBD職や事業会社の投資・M&Aに関わったことがある方などは、フィットしやすいと思います!)

ぜひ少しでも興味を持ってくださった方は、カジュアル面談も行っていますので、気軽にご連絡/DMをいただければ嬉しいです。

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