高齢者の靴選び

高齢者が「歩きやすいなぁ」と言える靴はどんな靴?

「昔履けた靴が今履くとキツイ、痛い」―そんな経験はありませんか?
今まで履いていた靴が足に合わなくなった原因は?そして高齢者にはどんな靴がいいのかをお伝えします。

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1.高齢者に見られる足の変化

ヒトはおおむね20歳前後をピークに老化が始まると言われます。50代60代と年齢を重ねるごとに体力が落ちてくるように足も
1.体を支える筋力が低下しやすくなる
2.骨格にゆがみ・ゆるみが出やすくなる などの変化が起こりやすくなります。また、若い頃から誤った靴選びをしていると「靴に足を合わせる力」が加齢とともに衰え表面化することもあります。

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2.高齢者の足の病変

個人差はありますが、加齢とともに各部位の筋力は低下してきます。特に歩行能力が落ちてくると―
①前かがみ姿勢になりやすい
②腕の振りが小さくなる
③歩幅が小さくすり足になる
④足を横に広げて歩く などが挙げられます。
また、足でみると
①骨格のゆるみが出始めると外反母趾になりやすい。
②肉が痩せ脂肪層が減少するようになると足裏のクッション性が減退しタコやウオノメができやすくなる。
③皮膚が硬化したり爪白癬(爪水虫)などを発症しやすくなります。

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3.高齢者の靴選びのポイント

こうした高齢者の足の特徴を踏まえると次のようなポイントが挙げられます。
①軽いこと: 足の筋力に合わせた重さ。手でもった軽さではなく履いて歩いた時の重さを確認しましょう。
②着脱しやすいこと:「脱いだり履いたりが面倒」とスポンと履けるタイプを好まれる方が多いようです。すぐに履けるということは「脱げやすい」につながりつまずきの原因になります。マジックテープやヒモなどで足がしっかり固定できる靴を選びたいものです。
③安定性があること:靴底はフラットな方が体重移動がしやすい。また、保温性を確保するために、厚みのある靴底がお勧めです。 
④トウスプリングが多めにとってある:トウスプリングとは「靴の爪先底面と床までの距離」のことです。この高さを多めにとることでつまずきのよぼう効果があります。
また、皮膚が痩せてくると、冷えやすく血行が悪くなりがちです。やや厚地の靴下を履かれることをお勧めします。皮膚の代用をしてくれるので、靴の足止まりが良くなりますのでぜひ試してみてください。

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4.正しい靴の履き方を身につけましょう

歩きやすい靴が見つかっても、履き方を間違っていては意味がありません。靴を履く時は、正しい履き方をすることが大切です。
①まずイスなどに腰を下ろしましょう。立ったまま中腰では靴が履きづらくなります。
②次に靴の開口部(足を入れる履き口)をシッカリ開きます。
③靴のカカトを踏むとせっかくの履き心地を損なうだけでなく、破損してケガの原因に。靴べらを使って足を入れましょう。
④足のカカトを靴のカカトを床で「トントン」と合わせます。
⑤ヒモやベルトで甲部分をしっかり固定しましょう。
この履き方をすれば歩きやすさが格段に変わり意識しなくても正しい歩行を促してくれます。

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5.足に合った靴を選ぶ近道は?

足長(足のタテの長さ)は同じでも幅や甲の厚み、足指の並び具合などヒトそれぞれに違いがあり、特徴があります。また、足が痛いからと柔らかすぎる素材の靴やゆるい大き目の靴をぶと、歩いている時に形が崩れバランスを維持するために無駄な力が働いたり、トラブルを増幅してしまうことがあります。足に合った靴を選ぶにはまず、自分の足の詳しいサイズや特徴を把握することが大切です。「自分の足のサイズや特徴が分からない。靴選びの方法を知らない」―そんな時は最寄りのシューフィッターに相談してみましょう。

このブログは岐阜県の「三喜屋靴店」代表、上級シューフィッターの宮木良朗が投稿しました。健康維持のために歩きたいけど靴の履き心地がよくない、痛いという悩みをお持ちの方のために足に合った靴のご提案をしています。みきやくつてんHPはこちらから↓

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