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先日靴型作りの専門家から靴型の講習を受けてきました。靴型は木型とも呼ばれ靴作りの上でとても大切な役目を果たしています。靴型が出来上がるまでの過程を数回に分けて受講しますが、今回はその入り口のお話をチョットしたいと思います。

靴型の機能と役割

靴型はもともと硬質の木材を使って作られていたので、「木型(きがた)」とよばれていました。現在ではその木型用木材の調達が困難になってきた事、木材より温度・湿度の影響を受けにくい(寸法の安定性)プラスチック材が主流となるにつれ、「靴型」と呼ばれるようになってきました。
さて、靴型には次のような大切な機能・役割があります。
①足の代用:ヒトの全身や1部分をかたどった模型を「ダミー」といいます。靴型は「足のダミー」で、形や寸法が出来上がった靴の足への適合を左右する大切な役割を持っています。
②靴作りの作業台:靴が作られる最初の作業は靴型の表面で型紙を採り、甲部(足を覆う部分)と底部のパーツが作られます。また、組み立て作業時に靴型の底面を利用して底面を固定し甲部と本底を取り付けます。こうした作業台の役目のほか、靴型に取り付けた「靴本体」を乾燥させたり形を整えるアイロン台の役目をします。
③靴のスタイルを決める
靴の基本は歩くための道具です。同時にファッション商品一面もあります。靴型はつま先の形や靴全体のスタイルを決定するファッション上の役割もあります。
(足と靴と健康協議会より一部抜粋)

靴型の種類・特徴

靴型は年齢別・性別・用途別・デザイン・製法などによりさまざまな多くの種類があります。例えば―
①成人の男性と女性では足の骨格・筋肉に大きな差異があります。同じサイズやタイプの靴型でも靴型の周径(母趾と小指の付け根の胴回り)や全体の容積が異なってきます。
②成長期の子供(乳幼児から12歳前後まで)の足は成人の完成された足の骨格とは全く異なります。成人の靴型の縮小版ではなく、成長の度合に合わせた靴型が必要になります。
③デザイン別による靴型:ひも付きタイプ・ステップインタイプ(パンプス系)・サンダル系・ブーツ系などデザインにもいろいろな種類があります。それぞれのタイプによってどこを解放し、どこで足がしっかり留まるようにしたらいいのかが靴型によって決まってきます。
これらの他、甲部と靴底の接合(底付け)の仕方によって靴型の作り方・選び方も違ってきます。
「靴は足を保護し、正しい歩行を促す」という大きな役目を持っています。その靴を作るための大きな役割を担う「靴型」。一朝一夕に習得はできませんが、足の機能や構造と合わせてこれからも勉強していきたいと思います

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