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先月春日井市のKさんにオーダーを頂いた紳士靴が出来上がってきました。Kさんはお仕事で月に数回スーツをお召しになる機会があります。でもいろんな革靴を履いても甲がきついし小指やが擦れるのが悩みのタネでした。

足の数値情報と特徴

足に合った靴を選び出すためには数値情報(足長:タテの長さ、足幅:母趾と小指を結ぶ直線、足囲:足幅部の周径・厚みなど)と特徴(例えば骨太・骨細、筋肉質・脂肪質、細身・肥大、指先の形状など)を把握する必要があります。Kさんの足はサイズを計測すると数値的に微少な差異しかありません。そこで足裏のプリントを採ってみると「アーチ」の高い足をしておられました。「アーチ」とは骨組が足のウラをドーム状に形成して、身体を支え歩いたり走ったりするときのスプリングの役目をしています。ポピュラーなのは足の内側にある「土踏まず」と呼ばれている場所です。内側のアーチが高いと甲が持ち上がってくるので、甲は高めになります。また、足指の並び方を観察すると小指側に向かってなだらかに短くなっていました。足の並び方には大まか分類すると①.母趾が一番ながい「エジプト型」②2番目が一番長い「ギリシャ型」③母趾~3番目辺りまでの指がほぼ同列の「方形型」の3タイプに分かれます。Kさんの足指は方形型に近いようでした。

「足と相性の良い」靴の条件

こうしたKさんの足の諸々の情報をもとに「相性の良い」靴探しが始まります。まず、「方形型」タイプの足を標準の爪先のシルエットの靴に入れると小指側が靴のカベに押され、圧迫感や痛みを覚えることがあります。四角いシルエットの「スクエア」や小指側に緩やかなカーブを持たせた「オブリーク」タイプを選んでみます。スリッポンタイプの靴は足が入れやすく甲の圧迫はありません。ただ、「足留まり」が落ちるので足が前方向に滑りこむと履き口に甲がくい込んで痛くなったり、カカトがスポスポ脱げやすくなります。「外羽根式」の靴を選べば甲の高さが調節でき、靴ひもで甲周りの調節がしやすくなり、カカトのブレも少なくなります。
こうした条件を詰めていくと履き心地の点数はかなりアップします。できあがった靴に足を入れて頂くと「オー、これは指がゆったりしてラクですねぇ。こんなに軽いんだ」軽やかな足取りで履き心地を確認しておられました。お渡し前に革靴のお手入れ方法をご説明しました。夏休み中なのでしょう、一緒についてこられたお子様たちが食い入るようにお手入れ道具や手順に見入っているのがとても印象的でした。お父さんと一緒に靴のお手入れ、手伝ってあげてくださいネ!

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