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「靴底と中敷きの摩耗」と履き心地

「この靴、調子がよくて1年くらいずーっと履いてます。でね、ここんとこ足首が少し擦れてくるんだけど、足の形が変わったのかなぁ?…」多治見市のWさんからそんなお問い合わせがありました。

足(下肢)の変化と靴の変化(摩耗)

Wさんは外反母趾とひざに痛みを抱えておられたのが最初のご相談でした。お気に入りの靴を数足お求め頂きましたが、最近靴の履き心地が変わってきたとのことでした。
足は体表面積の数パーセントしかありません。体重を支え歩くという体の中でも最も過酷な働きをする器官と言えます。加齢とともに筋肉が衰えたりこわばったりするように下肢(腰から足部)にも変化が出やすいと言えます。Wさんは変形性膝関節症の診断が出ています。歩くとヒザの内側に痛みが出やすく困っておられました。靴選びでは
①かかとまわりにホールド感があり、足首関節がぶれにくい、
②甲周りの留まりの良い靴ヒモやベルト付きのタイプーなどを念頭にお見立てをしてきました。そこで足と靴を再度観察させていただくとひざには大きな変化は見られませんでした。一方、靴を見ると靴底の大きな片減りと中敷きの摩耗が見つかりました。

靴底の減り方と中敷きの摩耗

通常歩行の際、靴底は中心からやや外側から減ってきます。足のカカト部は骨格のやや外側に位置しています。外見上はお椀型に丸く見えるので真後ろで着地していると思いがちですが、実際は外側から設置しています。靴底はやはりやや外側から減っていきます。Wさんのようにひざ関節にトラブルがあると足の外側全体に体重がかかりやすくなり、靴底がカカト前方までの長い範囲で減ることがあります。この状態で歩くと足は外側全体に体重がかかるので「外に傾いた」ような履き心地になります。
さて、靴の中は足を載せる台座スペース、中敷きがあります。素材には合成皮革や革素材など種類がありますが、吸湿性という点で天然皮革が使われていることが多いようですね。足のウラは一日にコップ1杯半ほどの汗をかくと言われています。この汗の成分には塩分や微量の皮脂が含まれています。同じ靴を長時間ほぼ毎日履き続けることで体重圧も手伝って中敷きの表面はツルツルと滑りやすく、返り(幅の広い周辺)部分もへたってきます。。これら靴底と中敷きの「摩耗」が出始めると靴ヒモやベルトで足をしっかり固定しても「ずるずるする」「外に傾いている」履き心地になります。

早めの修理交換をしましょう

ヒザの具合の悪い方がこのままの状態で履き続けると痛みが悪化することがあります。早めにかかとの修理、中敷きの交換をお勧めします。また、お気に入りの靴なので、毎日履きたい気持ちは分かりますが、数足の足に合った靴を用意していただきローテーションで履きまわしてあげましょう。靴の傷みが少なくて済み、修理中でも残りの靴で安心して歩けるのでお勧めですよ。

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