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「いつもこちらで靴を貰ってるんだけど、最近重く感じるようになってねぇ。歳のせいかねぇ…」多治見市のKさんがお買い物がてらこんなお話をされました。Kさんとお付き合いをさせて頂いてかれこれ13年ほどになります。外反母趾を抱えて悩んでおられた足に対応した靴を何点もご提案してきました。Kさんは今年84歳になられます。年齢と共に足の筋力も衰えがちなりますが、靴の履き方によっては軽快に歩けることがあります。

靴は「閉塞性の履物」

履物は大別すると「開放性」と「閉塞性」の二つに分けることができます。
解放性履物:板状の底にヒモをつけ、足指や甲、足首などに巻きつけて履きます。足全体を覆う壁や天井部分の多くが取り払われ「開放的」なデザインになっています。ストラップサンダルやトング、日本人がつい最近まで多用していた草履や下駄がこれに当ります。
閉塞性履物:トップライン(足を入れる口:履き口)がくるぶしより下にある履物の総称で、足全体は壁や天井でおおわれており、「靴」・「短靴」と呼ばれています(履き口がくるぶしより上にあるとブーツと呼ばれます)。さらに「靴」は①レースタイプ②ストラップタイプ③スリッポンタイプの3種類に分けられます。「靴」は「箱」のようなもので、「器」の中に足を入れるわけですから、高齢の方に①や②のタイプは足留まりが良い靴と言えますね。

住宅環境と靴

もともと靴は西洋から伝わった履物です。現在では国内の大多数の人に使われています。ところで「足元の西洋化」が進んだわりに国内の一般住宅は一歩玄関を入ると「土間と床」の旧来の二重構造の建物が依然多いようです。草履や下駄はこの住宅環境に沿った「脱ぎ履き」しやすい履物文化だったと言えます。さて、「靴」はこの「脱ぎ履き」が面倒なため靴ヒモをゆるくして履く「ルーズフィット」の方を多く見かけます。この履き方を続けていると「靴に合わせた歩き方」になりがちで、足や身体に相応の負担をかけやすくなります。特に高齢者の方は脚、特に大腿部の筋肉が衰えやすくなります。「ルーズフィット」な履き方は靴の中で足がぶれやすく、つまずきやすくなったり横転の危険がありますので気をつけたいですね。

靴ひもの締め直し

さて、Kさんのお話に戻りますが、いつも履いておられた靴は靴ひものヨコにファスナーを取り付け脱ぎ履きしやすい仕組みになっています。住宅事情に即した便利な補助具です。ただ、靴は履き慣れるにつれ甲を覆っている素材が柔らかくなり足留まり感が弱まります。縛りっぱなしにしている靴ひもの目が「つまって」きたりします。また、長年履き古した中敷きの厚みも体重がかかって痩せて薄くなり靴全体が「ゆるく」なってきます。この状態が続くと歩くたびに「靴を持ち上げて歩く」ようになり、「靴が重い」と感じることがあります。そんな時は足のカカトを靴のカカトに合わせて、靴ひもを縛り直してみましょう。特に甲周り土踏まず周辺がぴったり沿うように縛ります。この状態で歩いて「足と靴が一体」になっていれば足元が軽く感じます。歳を重ねても自分の足でいつまでも元気に歩きたいものです。「最近靴が重いなぁ」と感じたら、靴の履き方をもう一度見直してみてはいかがしょうか?

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