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掴めないもの

今日私は人生最後のチャンスの1つを失いました。

でも特別悲しいとか悔しいとかそういうネガティブな感情は今のところ生まれていません。

高校生の時から野球部のマネージャーとして青春のほとんどを捧げてきました。

朝は5時に起きて朝練。土日は片道1時間かけて超ど田舎の球場で一日中試合。

もちろん自ら望んでそうしていたので全く悔いはありません。

大学生になってからも、周りの友達はサークルで楽しく活動してアルバイトして旅行に行って素晴らしいキャンパスライフを送っていましたが、私は週5日の部活動。そして土日はありません。

大会期間中は土日4時起き、帰宅は夜。

この期間はもう本当にしんどい。人間寝なくても生きていられるかも?って感じるくらいです。

辛いことなんて死ぬほどあります。選手にボロボロのボールを投げつけてやろうかと思ったことも幾度となくあります。涙なんて数えきれないほど流しました。

それでもマネージャーを続けてこられたのは、辛いことを遥かに超える感動があるから。

毎日毎日練習に出てきて、いろんなことに悩みながら、仲間と切磋琢磨しながら努力し続ける選手たちが試合で活躍している。

そんな姿を見ると、朝4時に起きたことも、一睡もせず戦績をまとめたことも、すっかり忘れるんです。

みんなの頑張る姿が本当にかっこ良くて、愛おしいです。

やっぱりこの人たちと頑張りたい。そう思えるからマネージャーはやめられないんですよね。


コロナの影響で今年は様々なスポーツの大会が中止になっています。

総体やインターハイが中止になり、甲子園はどうなるんだろう?

でも野球だけ開催されるなんて不公平ですよね。

大学に行ってもチャンスはある。そう言う人がいっぱいいて、球児が甲子園にかける思いの強さを知らないのに・・・と言う意見も出ています。

私は高校生の時、進学校で甲子園なんて行けるはずがないと思っていた進学校で、県大会準優勝とセンバツ出場を経験しました。

それでも自分たちの代では県大会1回戦敗退。

これだけいい経験をしていても、結局最後の夏は悔しい結果で終わりました。

だから大学でもう一回、夢の舞台を目指そうと思ったのに。

今日の連盟会議で、春季リーグ戦の中止が決定しました。

現在2部リーグに所属する私たちは、春季リーグ戦の中止=昇格のチャンスなしということになります。

大学で絶対に神宮大会に出場する。そう思って4年間続けてきた大学野球。

本当ならチャンスが奪われたことに対してかなりの憤りを感じるところですが、今の私はなぜか少し清々しい気持ちです。

それは、大学野球に対してずっと本気で取り組んできたからだと思います。

本気なら悔しいのでは?と思うかもしれませんが、なぜか吹っ切れています。

あれだけ頑張ったんだから、もういいんじゃない?ってどこかで言ってくれている気がしています。

どうにもこうにも昇格できなくて、ずっともがいてきた大学野球人生でした。

決して引退を決意しているわけではありません。

最後の秋、後輩たちを一部に昇格させてから引退します。

高校から続けてきたマネージャーも7年目になります。

最後のチャンスを失った今だからこそ、よく頑張ったんじゃない?と自分を一度労おうと思います。


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