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関東大学ラグビー対抗戦 帝京v早稲田 試合展望をきく

#大学ラグビー応援企画  では、観戦前から楽しめるように、今回は観戦歴20年以上のベテラン、トヨノボリさんとシンさんに、帝京v早稲田の試合を展望していただいた。

帝京大学v早稲田大学。いよいよ強豪同士の対戦が始まる初戦だ。

トークメンバー

《トヨノボリ》
50代男性3児の父。
中学時代よりラグビーを観戦、現在は早稲田大学のファンだが、最初は同志社大学ファンであったことは内緒。
プレー経験は大学の授業のみ、文句だけは一人前な典型的親父ラグビーファン。
自慢は息子が小学校時代に参加していたルーパスJrの交流フェスタで、大野均選手にラインアウトリフトしてもらったこと。
今年はコロナで聖地巡礼ができなかった熱狂的カープファンでもあり、小学校時代のあこがれはマルチプレイヤー木下富雄(現焼き鳥店店主)。

《しんさん》
50歳男性独身(×1)。大学在学時に観戦したワセダのラグビーにハマってラグビー観戦を続けること約30年。ワセダのみならずラグビーの「ラ」のつくこと全てと旅行とグルメをこよなく愛する。国際問題、政治を除く社会問題全般、サブカルチャーに薄く広く興味あり。有名人・他人のスキャンダル、ゴシップネタには全く興味なしの会社員。

しんさん展望

開幕3試合を圧勝している帝京の強さは、現時点で今季大学チームの中で頭一つか二つ抜け出しています。

菅平で夏合宿を敢行して精力的に練習試合を組んでチームを構築してきました。特に昨年ベスト4の東海大学を84-7と一蹴したニュースには率直に驚きましたね。大学レベルとしては尋常な強さではないと思います。

今年勝てなければ在学生での大学選手権での優勝経験が途絶えてしまいます。そうなれば、努力する事への疑心暗鬼がチーム全体を蝕み始めるでしょう。失われた自信を取り戻すには結果を出すしかありません。

昨年覇権を取り戻した早稲田戦は、帝京にとって復活へ重要なマイルストーンとなる試合。全ての面でチャンピオンチームを圧倒しようとしてくるでしょう。早稲田ファンとしては正直怖いですね。4年前の大敗のトラウマが蘇ります。

翻って早稲田。3戦全勝発進も昨年の主力組が揃わず、調整の遅れが指摘されています。また、昨年までの斉藤、岸岡の黄金ハーフ団が抜けた穴の大きさを懸念する向きもあります。

しかし主力の卒業は大学スポーツの常。不安要素よりも日体大戦で渋い活躍を見せた昨年までBチームだった面々の台頭に大きな期待を見いだしています。

フォワードではMOMの横山、宮武、大崎の判断力と献身な動きが目立ちました。バックスでも平井、南の的確な状況判断と思い切ったプレーからも静かな自信が伝わってきますね。

小西、吉村のハーフ団も落ち着いたゲームメークでチームを安定させていました。

チーム全体から「コミュニケーションがとられている」「よく考えられている」印象が伝わってきます。

「推薦組と一般入試組の融合」これが推薦入試枠が多いとは言えない早稲田が、伝統的に強さを維持してきた要因だと思います。個人的に久しく見いだせなかった一般入試組・雑草の躍進を日体大戦に見いだしました。こういう年の早稲田はしぶとく、いやらしい。勝てないまでも、負けない。

この要因はやはり昨年11年振りの優勝の記憶でしょう。学生の主体性やチーム全体の一体感を重んじる相良監督の手腕によるところも大きいと思います。

昨年「正しい努力をすれば報われる」ことの証明を得たチーム全体に落ち着いた自信を感じます。

新しいファンの方々に「これが早稲田ラグビーですよ」と伝えたいですね。そんな佇まいを感じます。

今度の試合は両チームの今後を占う意味でも大きな意味を持つでしょう。帝京は絶対に負けられない試合。早稲田は事前のスカウティングをもとに粘り強いディフェンスで接戦に持ち込みたいところです。

8-2で帝京優位を予想。早稲田ファンとしてはディフェンスの習熟度など、今後を睨んで結果よりも内容に注視したいですね。

トヨノボリさん展望

帝京のこれまでの戦い方は勝ち方というより、勝ちにこだわって戦っている気がします。

トライの取り方を見てみると、7割近くがFWでしかも第一列が多いので、スクラムでペナルティ⇒モールトライでがちがちに行っています。
推測ですが、前年度でなくした自信を取り戻すため、敢えて強みを前面に出しているのかと。

逆に早稲田はBKのトライが70%程度を占めていますし、ミスを気にせずいろいろ試しているような気がしています。

もちろん帝京に勢いがあることは事実ですし、早稲田を8kg程度平均で上回るFWと筑波を後半完封したディフェンスは脅威です。敵陣で反則の多いこれまでの早稲田では正直きついので、レフリングに合わせた改善は必須と思います。
ただし早稲田がFWで五分、せめて四分六分まで行ければ精度が上がってきたHBと決定力のあるBKでは上だと思いますのでいい勝負はできるかと。
30点までに抑えられれば早稲田、それ以上失点するようなら帝京の勝利と考えます。
50点以上取られるような大敗を喫するとそれ以降の筑波、慶応、明治戦がかなり厳しくなると思われます。

帝京と早稲田のトライを見てみると、帝京は6~7割がFW、早稲田は逆に7割弱がBKです。

帝京は自信回復のため、形にこだわらず取れるだけ取る、早稲田は先を見据えてトライの取り方、崩し方にこだわっているといえるかもしれません。
楽観的過ぎるかもしれませんが、FWが踏ん張れれば、早稲田は帝京と互角以上の戦いができるような気がしてきました。

お話を伺って

お話を聞く前は、昨年の覇者である早稲田大学が、前節の日体大戦での圧勝もあり、当然優勢だと思っていた。しかし、「今年の帝京は、一味違う」という印象になった。私自身、今年は帝京大学のプレーを見ていないこともあり、話題の帝京v早稲田戦、試合観戦が楽しみだ。

(本記事は、クボタスピアーズ岸岡選手の大学ラグビー応援企画に参画する、いのこさんのインタビュー記事を、みきしのが編集しました。)

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