駆け抜けた後に風が見えた気がした ~ サムライセブン佐竹克基選手
佐竹克基選手。
東福岡高校出身。福岡工業大学卒業後、現在はサムライセブン所属する選手だ。
身長171センチメートル、体重66キロの小柄な体で広いフィールドを駆け抜ける。スタートからフル出場し、後半になっても衰えないスピードでトライを取る。7人制ラグビー(セブンズ)がよく似合う。
2016年に開催された『アジアラグビーセブンズ2016香港大会』では大学2年生で日本選抜としてセブンズデビューを果たした。
初めて佐竹選手に出会ったのは、2017年のジャパンセブンズ。
私が初めて見たジャパンセブンズは、日差しを避けようと座った秩父宮ラグビー場のゴール裏の席だった。
当時は福岡工業大学の3年生だった佐竹選手がゴールをめがけて疾走してくる姿に、一瞬で虜になった。
そして翌2018年、ふたたびジャパンセブンズで佐竹選手と出会う。今度は、彼がゴールに向かって走る姿が見たくて、ゴール裏の席を取った。
歩幅が広く地面を踏みしめて、でも軽やか。
佐竹選手の走った後には、彼を包む風が揺れるさまが見えるような気がする。彼の走りが大好きだった。
福岡工業大学卒業後の進路を見失い、もう佐竹選手の走りに会うことができないと思っていた。さらに、ラグビーワールドカップ2019™日本大会のためジャパンセブンズは中断、翌年からはコロナ禍で開催がされない状況になっていた。セブンズに接することができない中で、佐竹選手のことは記憶の底に仕舞われた。
それから6年がたち、2024年。
ジャパンセブンズの6年ぶりの開催が発表され、登録チーム・メンバーの中に佐竹選手の名前を見つけた。
あの走りにまた会うことができる。
虜になった走りの思い出が記憶の底から急浮上してきた。
背番号7の後ろ姿を見たときには、嬉しさで泣きそうだった。
6年ぶりの佐竹選手は、自分の中の記憶よりもX(旧Twitter)の中の記録よりもずっとかっこよかった。風の動きが見えるような走りは健在だった。
さらに、6年前の(ラグビー観戦スキルの低かった)私ではきっと気が付けなかったディフェンスにも目が奪われた。セブンズは少人数だからこそ、一人が抜かれると得点に直結する。
佐竹選手
セブンズを続けてくれていてありがとう。
プレーを応援する機会をくれてありがとう。
やっと会えた。
今度こそ見失わないように応援し続けるよ。
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