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今、世界で一番好きな選手が日本にいる幸せ

幸せだと思う。
日本から遥か離れた南アフリカで生まれ育ったスーパースターが日本にいて、至近距離でプレーを見ることができる。素晴らしいプレーを思う存分応援できる。掲げた応援ボードを見つけると微笑みかけてくれる。

本当に幸せだと思う。

日本でプレーしてくれてありがとう。
ピーターステフ・デュトイ選手(Mr. Pieter-Steph du Toit)。


Mr. Pieter-Steph du Toitとは

1992年南アフリカのケープタウン近郊生まれ。彼の名の「Pieter-Steph du Toit」は家に代々続き、彼は7世に当たる。南アフリカ代表キャップを持つ祖父Pieter-Steph du Toit V(ピーターステフ・ディトイ5世)他ラグビープレーヤーを輩出する家柄だ。

高校卒業後、ストーマーズ(以前はスーパーラグビーに所属)に入団し、プロラグビープレーヤーとしての道を歩む。

ユニオンの代表としては、U20南アフリカ代表を経て、2013年に21歳で南アフリカ代表に初召集されると、同年のウェールズ戦で初キャップをつかむ。

その後ラグビーワールドカップは2015,2019,2023の3大会に出場。
2019年のワールドカップ2019™日本大会後には、ワールドラグビー世界最優秀選手に選出された。

まさに世界的なスーパースターだ。

その後、2020年に試合で受けた怪我に伴う足の血腫により片膝を失いかかるほどの事態となる。さらに時を同じくしてコロナ禍でプレーが中断される。日本では大きくは報じられなかったが、選手生命どころか日常生活さえも危機的な状態だったらしい。

しかし、その後奇跡的に回復し、ラグビー界に復帰を果たすと、NTTジャパンラグビーリーグワン2022シーズンからトヨタヴェルブリッツでプレーをする。

ポジションはロック(LO)/フランカー(FL)/No.8(No.8)。
2019年ごろにLOからバックロー(FLまたはNo.8)に移行していると思われる。ラグビーワールドカップ2019™日本大会では主にFLとしてプレーした。現在所属するトヨタヴェルブリッツではNo.8が多く、FLでもプレーをする。

デュトイさんとの出会い

衝撃だった出会いはラグビーワールドカップ2019™日本大会。
(それまでも、サンウルブズが参戦していたスーパーラグビーで見ていたはずなのに、スルーしていた自分が悔しい。)

200センチメートル、115キロの恵まれた体格と人並外れた運動量。

手前側で相手を止めたと驚いていたら、数秒後には反対側のラインに並んで相手を待つ。そして仕留める。フィールドの中に3人くらいいるんじゃないか?と思えるほど、どこにでもいて、いつだって臨戦態勢だ。
攻撃のフォローも速い。ボールを持った選手に併走し、誰よりも速くダウンのフォローに入る。
しかもそれを試合時間の80分間続けるのだ。前半の元気がある時間帯ならまだしも、後半も全員が疲れてくる、緩みがちな時間帯にもどんどんタックルを仕掛ける。

ランからトライを決めるプレーのような派手さはないが、一度気がつくときになって仕方がない。こうして私はピーターのプレーにはまった。

デュトイさんが日本にやってきた

ラグビーワールドカップ2019™日本大会の翌年の2020年の2月、彼は試合中のプレーでけ怪我を負った。膝の切断か?というにニュースを聞いた時には、もうプレーをする姿は見られないのかと絶望した。

その絶望の淵にあって、日本ではあまりニュースがなく数か月がたった頃、ビックニュースが入ってきた。ピーターが日本でプレーをするというのだ。

チームはトヨタヴェルブリッツ。
元トヨタ自動車ラグビー部を全身に持つ愛知県豊田市を拠点とする名門チームだ。
総監督(Director of Rugby)は元ニュージーランド代表ヘッドコーチのスティーブ・ハンセン氏。日本人選手では姫野和樹選手、(発表当時は)ピーターと同じ南アフリカ代表のウィリー・ルルー選手が所属する。

2022年1月16日、NTTジャパンラグビーリーグワン2022第2節 vs. 東京サントリーサンゴリアス戦でリーグワンデビューを飾った。

至近距離で見るピーターのプレー、ボールに直接絡んでいないときも動き続け、次のアタックチャンスを狙うプレーからは終始目が離せなかった。

ちなみに、この試合は東京サントリーサンゴリアス側にニュージーランド代表のダミアン・マッケンジー選手、オーストラリア代表のサム・ケレビ選手がいるという世界トップレベルのマッチアップだった。

デュトイ様、3シーズン目

NTTジャパンラグビーリーグワン2023-24。
日本でのプレーが3シーズン目となり、私の中で「デュトイさん」から「デュトイ様」に呼び名が変わった。

「そろそろ日本で見ることができるのは最後かもしれない… 」そんな気持ちになった今シーズンは、焦るような気持ちで、生まれて初めて応援ボードを作成した。これまでも全力で応援していたけれど、「日本にも彼のことを全力で応援しているファンがいるんだ」と伝わったらうれしいと思ったのだ。

応援ボードはA3より大きい。
今シーズンは応援ボードに合わせて、バッグが二回り位大きくなった(私の隣で観戦していた方、荷物が大きくてごめんなさい)。
ホームゲームは東京から新幹線で移動、ビジターゲームは東京で人数が少ないながらもチームカラーの緑をまとって応援した。

改めて間近で見るデュトイ様は、圧倒的なフィジカルで私たちをいつでもエキサイトさせた。また、ボールを持てば足は速いし、相手のディフェンスラインを躱すようなキックも仕掛ける多彩さもある。
持っている応援ボードを掲げることもカメラで撮影することも忘れるほど、彼のプレーにくぎ付けだった。

試合後の挨拶では、試合中の厳しい表情から一転して笑顔も見せてくれた。
日本でプレーしてくれているからこそ、リアルで見られる表情だった。

3シーズン目が終わって

現時点では、今シーズン終了後の進退は発表されていない。
もうきっと進退は決まっているだろうけど、

「お願いです。もう1シーズン、いや、できるなら引退まで日本でプレーしてください。」

と祈らずにはいられない。
もっともっとデュトイ様のプレーが見たい。

Dear Mr. Pieter-Steph du Toit

I am writing this letter to express my heartfelt gratitude for your outstanding performance in JAPAN RUGBY LEAGUE ONE. I am truly delighted to see you excel in Japan.

I first started supporting you during the Rugby World Cup 2019. I was deeply impressed by your exceptional physicality, unwavering dedication, skillful technique, and passionate play throughout the 80 minutes.

I am deeply grateful that you joined the Toyota Verblitz in the 2022 season and have been contributing to the excitement of League One. I have traveled from Tokyo to Nagoya and Toyota City many times to watch your matches. I am always thrilled and excited by your ability to disrupt the opposing defense, create turnovers, and deliver powerful tackles. Your presence has not only elevated the level of the team and the league but has also generated new excitement and passion among Japanese rugby fans.

Once again, thank you for your incredible performance and immense contribution to Japanese rugby.

I sincerely wish you continued success with the Verblitz and look forward to seeing more of your amazing plays that will astonish the world.

Sincerely,

(↓ 自動翻訳で日本語にした)

ピータステフ・デュトイ様

JAPAN RUGBY LEAGUE ONE での素晴らしいパフォーマンスに心からの感謝を伝えるために手紙を書いています。日本で活躍されていることを心から嬉しく思っています。

初めてあなたを応援したのは、ラグビーワールドカップ2019でのことでした。80分間を通して発揮された並外れた体力、揺るぎない献身、巧みな技術、そして情熱的なプレーに深く感動しました。

2022シーズンからトヨタヴェルブリッツに入団され、リーグワンの盛り上げに貢献していることに深く感謝しています。試合を見るために、東京から名古屋や豊田まで何度も足を運びました。相手ディフェンスをかく乱し、ターンオーバーを奪い、力強いタックルを決める姿にいつも感動し、興奮させられます。チームとリーグのレベルを向上させるだけでなく、日本のラグビーファンに新たな興奮と熱狂を生み出しました。

再び、素晴らしいパフォーマンスと日本ラグビーへの多大なる貢献に感謝します。ヴェルブリッツでのさらなるご活躍を心から願っており、これからも世界を驚嘆させるような素晴らしいプレーを期待しております。

Photos LeagueOne 2023-24


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