ヒトの歴史

ヒトの歴史を辿ってみると、僕たちはヒト属の『ホモサピエンス』であるのだが、大昔にはヒト属にもホモサピエンスとは別の種類が存在した。

ヒト属は30万年程前から火を使い始めた。
火を使用することによって大腸の長さが短くなる進化を遂げた。
それまでのヒトは大腸が長く、食糧を消化するのに多くの時間を費やしていた。
厳密には狩猟時間で5時間。
食べ物の咀嚼に5時間。
消化に5時間である。
これだけで15時間なので、残りの9時間を睡眠に当てるとそれだけで1日が終わることになる。
(補則ですが、僕たちは食事後にダラダラしたくなることがあるかと思いますが、これは食べることと消化に10時間も費やしていたヒトの本能的な習性なのである)

火を使用する30万年前までは、ヒトはそれまでの250万年前からずっとそんな生活をしてたのだ。
それが火を使うようになり、高カロリーの食物を簡単に消化できるようになり大腸が短くなる進化を遂げたのだ。
更に消化にかかる時間も短くなったので可処分時間が生まれ、行動範囲が拡がった。

ヒト属には我々ホモサピエンスよりも脳が大きく、身体能力的にも優れた『ネアンデルタール人』が存在していた。
しかしホモサピエンスよりも優れた方のネアンデルタール人は絶滅した。

ホモサピエンスが生き残った理由は『噂話』が出来たから。

認知革命により、ホモサピエンスは遺伝子の組み換えが変わり『言葉の使い方』が変わった。
それまでの言葉は「熊が来るぞ」や「敵はどこだ」といった『何かを知らせる』使い方しかなかった。
それが「あの男が熊を倒した」という『噂話』が出来るようになり、熊は我々の守護神だという『ほら話』が出来るようになった。

『ダンバー数』というのがあり「人間が安定的な社会関係を維持できるとされる人数の認知的な上限」とある。
人間が円滑に安定して維持出来る上限数は『150人』と言われており、150人を越えて束ねようとすると規則や法規、ノルマなどが必要になるのだが、ネアンデルタール人はこれをもてなかった。
一方のホモサピエンスは、認知革命による神の存在といった『ホラ話』が出来るようになり、この能力により多数人を束ねることが出来た。
数的有利に立ったホモサピエンスはネアンデルタール人に勝ち、ヒト属の生き残りとなったのだ。

これが僕たちホモサピエンスの歴史である。

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