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人道支援ロジスティクスに関する覚え書き

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人道支援ロジスティクスについてのアイディアのメモです.
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2016年6月の記事一覧

避難所情報カードの仕様

以前,避難所の情報を記したカードを準備しておき,ローロデックスボックスに保管しておく方法について述べたが,そこには以下のような情報を入れておくと良い.

・名称
・住所
・緯度・経度
・収容人数
・備蓄量(食品が何日分とか)
・空間充填曲線法のθ,もしくは事前巡回路順の番号
・入庫可能なトラックの大きさ(そこに至る道に対して通過制限があるなら,その情報も)
・荷さばき施設の有無
・近所の地図とアク

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岩手方式とその限界

岩手方式とその限界

災害時の陸上での支援物資供給のためのロジスティクスは,震災の度に試行錯誤で行われてきた.どのような方式が良いかは,オペレーションズ・リサーチ(OR)の古典的な最小カットモデルを用いれば容易に分かる.

ちなみに,ORとは「ものの考え方」に対する学問体系であるが,ややもすると手法を覚える学問であると勘違いされてきた経緯がある.昔のORのテキストには,PERT,待ち行列,線形計画など手法が列挙してあり

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災害直後の支援物資供給システム

災害直後の支援物資供給システムが満たすべき公理を示した後で,具体的なシステムを提案する.

・コンピュータやインターネットの利用を前提としない.

途絶直後の応答フェイズでは,インターネットはおろか,コンピュータを使用して何かを計算することができない可能性が高い.熊本の震災では,避難所にipadを配布して何かやろうとしたようだが,途絶発生からだいぶ時間が経過してからでないと,役に立たない.重要なの

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