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デカダントはチョコレートケーキであり、マニアックはシリアルキラーなのだ【 #DMM英会話日記】

もし政府が、日本人の英語力を本気で伸ばしたいと考えているなら、いますぐ和製英語にメスを入れるべきだと思う。中途半端にカタカナ英語が普及しているために、その知識が邪魔をして全く英語が通じないことがよくある。
たとえば、ヒエラルキーはハイアルキーが、ジャンルはジャンラのほうが実際の発音に近い。
ジョン万次郎の辞書では、Waterは「ワラ」であり、Sundayは「サンレイ」であった。こっちの路線のまま頑張れば日本人の英語、よっぽど良かったんじゃないのー! 今すぐ実際の発音に合わせてカタカナ英語アップデートすべきーーーー! ……と興奮するぐらいカタカナ英語が邪魔である。

まだある。

実は発音だけでなく、和製英語はその意味まで時に歪めてしまっており、そのせいで会話が全く噛み合わなかったりする。

たとえばマニアック(maniac)。

この間の授業で、なんとなく「あの人はマニアックだから」と言ったら、先生は微妙な顔をして、「意味がわからない」と言った。
「マニアックって、ほら、nerdとかbuffみたいな、ちょっとオタクみたいな意味で日本人は使うんだけど」と返すと、「英語では、マニアックというと、うーん、ちょっと狂っている人とか、シリアルキラーみたいなイメージなんだよね」

シリアルキラー、殺人鬼とは穏やかでない。「私の友達にマニアがいて」などはうっかり使いそうなので注意が必要である。

さらに意外だったのはデカダントの意味。これも和製英語としてすっかり定着しているけれど、意味としては「退廃的」、まぁ谷崎潤一郎の小説っぽいイメージの言葉ですよね。我々日本人にとっては。

でも、アメリカ人がデカダントという言葉を使う時は、谷崎でもフェリーニでもなく、主にチョコレートケーキをイメージしている。

ちょ、チョコレート!?

実際にGoogleイメージ検索でdecadantを検索するとこのとおりである。
主に油分や糖分みっちりの、トリプルファッジチョコレートみたいな食べ物こそが彼らにとってのdecadantだったのだ。

意外すぎる……。

しかもたちが悪いことにそんなことはほとんど日本の辞書に載ってない。
この間の差別用語のときも思ったけれど、日本語の辞書、もう少しニュアンスとか、実際に使われ方なんかをもう少し暑くしてくれるといいのにな、と思う。

こういう小ネタを集めた集合知的な辞書作ったら結構流行るんではないかと思うので、どなたか一緒にやりませんか?




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