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怒れるイギリス人青年の、カラフルすぎる罵倒英語。 【 #DMM英会話日記 】

実はこのレッスンを受けたのは、アメリカでジョージ・フロイドさん事件に関するデモが激化する直前だったのだが、結果的に今思うとこの日のイギリス人先生の話は予言的であったなと思う。

この日彼はとても怒っていた。イギリスがヨーロッパの中で突出してコロナの死者数が多いことに、というか世界でもトップレベルに多いことに、心底腹を立てていた。 "I am angry." と言ってから、一呼吸おいて、" I am livid”と言い直した。lividを辞書で引くと「激怒」とある。

「このままの死亡率が続けば、イギリスの死者数は9月には6万人を超えると言われているんだ。そんなことになったらこの国は崩壊するだろう。国中に抗議が広がり、暴動が起き、暴力が広がるだろう。なぜなら国民は今本当に怒っているから。They will be riot they will be protests they will be violence because people are angry.

そして彼らの怒りや暴力の矛先は警察や政府に向かっていくだろうと彼は言った。実際都市部ではその兆候も見られると言う。

「親族が亡くなった人の気持を想像できる?  僕は、もし自分の親族がコロナで死んだらとても冷静ではいられないと思う。I would be bouncing off the walls.

I would be bouncing off the walls. 有名な歌詞の一部でもあるらしく、血迷う、冷静さを失うといった意味で使うらしい。

「こんなことになったのも、イギリス政府が、completely idiot(完全なアホ)だからだ。ボリス・ジョンソンと保守党は国のリーダーとして完全に失敗したんだ。」

completely failedを、コンプリーーーーーーートリィと彼は発音した。おそらく、"かーーーーーんぜんに、失敗した"というニュアンス。

「国のトップの仕事は、国民を守ることだろう? ウイルスに限らず戦争や外国の脅威、テロや経済的困難などから国民を守るのが政府のやるべきことなんだ。でも奴らはその仕事を一切しなかった。罰せられるべきだよ。
いま彼を支持している人たちのことは全く理解できないし、彼の仕事がどれだけ最悪かなぜ奴らは気づかないのか、It infuriates me!

infuriate とは激怒させる、という意味らしい(今日は辞書を引くのに忙しいレッスンである)。angry, livid, infuriateなど、怒りに関するボキャブラリーが増えていく。使いみちがないことを祈りたい。

「おそらくボリス・ジョンソンは、いま世界で一番……、まぁトランプも完全なるアホだし、完全なる buffoon(辞書を引くと「ばかで下品なおどけ者」。たぶん日本語にない概念の悪口)だけど、少なくとも彼は自分の意見を言っている。
政治評論家は”ジョンソンは周囲のアドバイザーたちの意見に従っているだけ”とか擁護するけど、やつは首相なんだ、自分で考え自分で決めるべきなんだ。本当にBS!(bull shit の略、でたらめという意味。BSについてはこちらの日記もどうぞ)。
もし野球のバットがあったら彼の頭をなぐってやりたいよ。もちろん彼は直接人々を殺したわけじゃない。でも彼の決断は多くの死に対して責任がある。」

一応ことわっておくと、彼は高い教育を受け、普段はとても知的で、音楽をこよなく愛する感じの良い若者である。

「なぜジョンソンみたいな奴が選挙で選ばれたのか。僕はそれを思うと人間性への信頼を失いかけているよ。過去20や30年の間に、イギリスに何が起きたんだ? 国民の常識や知性、論理的思考みたいなものはどこへ行ってしまったんだ?
僕は決して愛国者ではない。僕はグローバルコミュニティを大事にしているし、旗を振って国家を歌う、なんていうのは僕のスタイルじゃない。
でも、ここは僕の生まれた場所であり、故郷なんだ。」

その数日後、アメリカで警察と市民の衝突が始まった。私はニュースを見ながら、先生が話していた、They will be riot they will be protests they will be violence because people are angry. という言葉を思い出していた。

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