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おっぱいの木 ~詩~

 
しつもん 3
あなたは おっぱいの木を 知っているか
知っている 
その木は たしかに ここにある
ちゅぷちょ ちゃぷちょ ぷちゅん ぷちゅん
 
わたしたちの 母なる木
おっぱいの木 
おっぱいの実
うまれたての 赤ん坊から 
いまわのきわの 古老まで
初乳 死に水 祝い酒
口に含むは おっぱいの実
 
おおぶり こぶり ぶりん ぶりん
ちょこれいといろの 
しろいの あかいの きいろいの 
にじいろのものまで たわわに実る
あまいか にがいか しょっぱいか
かたいの もちもち いがいがの
好みの実の さきっちょから
しみだす しろい液に 満たされて
はいはい よちよち すたすたと 
するする よぼよぼ はらはらと
生きる 生きる わたしたち
 
陰と陽の まぜこぜの 
混沌の記憶を たどったならば
せいは ひとつで あるのだから
すべての人に 母がいて 
すべての人が 母になる
せいを 謳歌する わたしたちは
おっぱいの 木のもとに あつまって
そして おどる
ちゅぷちょ ちゃぷちょ 
ぷちゅん ぷちゅん
 
この先も 子供たちの 笑い声が つづくよう
この先も あらたな産声が あがるよう
そうして いつしか ほろほろと 
散っていくことが できるよう
おっぱいの 木のもとで 
おどる おどる
輪になって 輪となって 
めぐり めぐって 
おどる おどる
ちゅぷちょ
ちゃぷちょ
ぷちゅん
ぷちゅん
 


 

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