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借景ならぬ・・・!?

洗濯物を干すとき、急いで買い物から帰るとき、マスク越しでもふっと、かおるあの香りが私は好きです。銀木犀も好きだけど、あんなに存在感のある香りはやはり金木犀だと思うのです。ちょっといやなことがあった時や、イライラしている時、「まあまあ、落ち着いて。」と言われてるみたいに感じます。

どこからともなくかおってきて、深呼吸したくなる優しい甘さを感じます。「どこに咲いてる?」と思わずキョロキョロしてしまい緑の葉にオレンジの小さな花を見つけるとなんだか得した気分です。

我が家にはないけれど、ご近所から毎年かおってきて気分が上がります。もうこんな季節かと季節感も感じられて、借景ではないけれど、素敵な贈り物をいただいています。

どんなにいそいでも「一番におむかえにきてね。」という約束が守れそうになくて、それでも走っている時、ふっと金木犀の香りが優しく包んでくれると「ごめんね。」と言い訳せずに言えちゃいます。帰りは手をつないで二人で「いい匂いだね。」とゆっくり今日の出来事を聞きながら帰宅です。帰ったら夕方の忙し時間に突入ですが、癒しの時間です。

しばらくすると、オレンジの粒は地面を彩り、香りも消えます。何の違和感もなく消える香りには寂しさも感じないほどです。

来年もまた、ふっと思い出したようにあの香りが癒してくれることでしょう。

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