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【栄養】糖質制限がこの先10年で”時代遅れ”になる理由
糖質制限、低糖質、低炭水化物、ローカーボ
言葉は違えど、これらは全部コメやパンなどの炭水化物を減らして体重を減らすために流行っている食事法です。最近では性別年齢関係なくほとんどの層で、聞いたことがある、もしくはやったことがある、という人が多いのではないでしょうか。
専門家の中でも意見が割れる分野ではありますが、私はこの食事法には長期的なデメリットがありすぎると考えています。
メディアが好む『即効性』ばかり注目されてきたこの10年でしたが、今まであまり注目・研究されてこなかった「何年も糖質制限生活したらどうなるの?」の部分が明らかになってきています。
なぜ私がこんなにも「糖質制限はやらない方がいい」と断言するのか、以下、私の見解として参考にしてみてください。
この記事を読むための基礎知識:
炭水化物=糖質+食物繊維
食卓に上がる食事は炭水化物で、分解されて糖質になり、さらに分解されて糖類になる(かなりざっくり説明)
◆人間の身体は糖質を使うように進化した
人間は、唾液に糖質を消化する酵素を持つように進化しました。口に食べ物を入れた瞬間から糖質を血中に取り込む準備を始めているということです。なぜなら、それだけ糖質が身体にとって重要な役割を果たすから。
筋肉を動かすのに必要な糖質も、脳が働くのに必要な糖質も炭水化物から摂ってきます。十分な糖質の供給がないまま急に筋肉を使えば、低血糖になって、脳がシャットダウン(失神)することもあります。このシャットダウンは、脳が最低限の供給を確保するために、これ以上身体を動かすのを強制終了するような行為。
何万年もかけて、人間にはこれだけ炭水化物に頼った働きが備わりました。ここ数十年になって、肥満の人が増えたからって、急に悪者扱いされるのはおかしい。
糖質を取るのを止めると、糖質にくっつく水分も一緒に抜けるのでむくみが取れて、体重はストンと落ちます。この即効性に人々は食いつくわけですが、長期的にはデメリットばかり。
しばらく糖質制限食を続けていると、筋肉が減ったり、血糖をコントロールする能力が落ちてインスリン抵抗性(糖尿病の原因)を招いたり、血中脂肪に悪影響が出たり、健康を害するリスクが出てきます。
メディアはまだ取り上げ始めてはいませんが、フィットネスの現場や、総合的に健康をみるホリスティック・ヘルスの現場では、この声は年々大きくなっていくように感じます。
◆文化も糖質を軸に生まれた
世界中の食文化を見たって、主食は炭水化物です。主食以外にも、木の実や果実を食べる文化は大陸を超えて世界中で見られます。
何百年も前、炭水化物を中心に食事をしていた人たちに肥満はいなかった。そんな昔とは言わなくとも、カラー写真がで始めた頃の写真を見たって肥満なんてほとんどいなかった。
それなのに、体重が増えた原因を炭水化物だと決め付けて「これさえ抜けば大丈夫だ!」と安直な考えで糖質制限ダイエットを始めてしまう人がたくさんいるんです。
食は文化。人間の文化の中心にある炭水化物を抜いてしまえば、文化的な生活は継続できません。
自分だけ家族と別の食事をしたり、友達の誘いを断ったり、せっかくの自分の誕生日ケーキも罪悪感を感じならが食べたり。人間関係や文化的な生活にまで悪影響を与える食事を選んでしまうような心理状態を、それでも健康と呼べるでしょうか?
私たち日本には『おにぎり』という伝統文化がありますね。そんな伝統食を生んだ国で、「炭水化物を食べることが余分な脂肪の蓄積の原因だ」と信じている人が溢れているんです。この状況、おかしいと思いませんか。
◆摂食障害の温床になっている
栄養学的にも、人類学的にも、比較文化学的にも、妥当とは言えないような食事法を無理矢理自分に押し付けてしまったことで、食事と心の関係を崩す人も続出しています。
「努力」とか「我慢」とか「やる気」いう言葉で自分を追い込みながら、炭水化物を食べるたびに罪悪感や恐怖心を感じるようになってしまった人がたくさん私のところに相談に来るんです。
摂食障害まで重度とは言わずとも、炭水化物を抜こうとする人たちは、10代から70代、80代の方まで。学生、母親、アスリート、定年後の方々など、異なるバックグラウンドの方々が糖質制限をして体重コントロールをしようとするあまり、『ダイエット=苦しいもの』というイメージを持つようになっています。
食事をコントロールできなくなったり、食べるたびに罪悪感を持つようになることは、Disordered Eating (乱れた食事)というカテゴリーに入ります。私自身、Disordered Eatingに足を踏み入れた生活から、その後摂食障害まで経験しました。
そんな食生活で即痩せしたって、心は満たされません。満たすどころか欠けていくばかり。短期的な欲だけ満たすような表面的な方法に踊らされているかぎり、長期的な幸せはおとずれないでしょう。
◆これから変わっていく
今はまだ「即痩せ」の方が話題性があるから、なかなかメディアに取り上げられません。即痩せの方が長期的な幸福や健康よりも優先される世の中になってしまいました。
でもこの動きは、日本の外では少しずつ変わってきています。表面的な情報を疑う人たちの声が大きくなり始めてきました。時期にメディアも大々的に取り上げてくるようになるでしょう。
私は糖質制限のように短期的な欲を満たすだけの改善策は今後衰退していくと思っているし、衰退するように私も発信を続けようという決意であったりしています。
話題性のある情報よりも、本質的に人々の生活を良くする情報が主流な世の中になりますように!
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