ジェンダーフリーへの道
昭和のおじさんがまたやっちまったか。
日本を代表する企業のトップがまだこんな発言を・・。
私たちは女性と男性は違うと考えています。人間という意味ではもちろん一緒ですけれども、能力や特性の得意な分野が違うと思います。(中略)
女性には女性のよさ、男性には男性のよさがある。
NTT澤田社長の入社式でのあいさつだ。女性活躍推進と多様性を重視していることを語る中での発言で、広報が「誤解を与えているようであれば、大変申し訳ございません」と謝罪しているが、本人が自分の発言のどこが問題だったのかを理解しているのかどうかは定かでない。「そうはいっても体格も違うし、性差はある」と反論したいのが本音ではないか。
「女性活躍はダイバーシティの第一歩」と「女性」を焦点とした取組みがなされているのはアファーマティブアクションの観点からであって、本来、多様性の尊重はカテゴライズを排し、個々の特性を尊重することにある。
属性にわけて平均値を取れば違いは見えるかもしれないけれど、属性の平均値なんて個人にとっては意味がない。「あなたは女性(男性)だからこうでしょ」と決めつけられることの居心地の悪さは、本当は男性の側にもあるはずで、昭和の男性はそのことに気づけない環境で生き抜いてきたことを理解はしつつ、アップデートできる機会を社会としてもっと作っていきたい。
同じ日の別の紙面では、アーティスト・コレクティブ「Chim←Pom(チンポム)」のエリイさんが、赤ちゃんの性別公表について次のように語っていました。
男か女かは赤ん坊は自分ではまだわからないですよね。産んだ時に親が男の子だと思っても、本人の性自認はそうではないかもしれない。
バイアスなく産み育てたいと思い、性別を聞かれたら、生まれた後も「私が決めることじゃないからわからない」と返すことにしました。生まれた後に性別を明かさないのは大変です。何人もの友人をいらつかせてしまいました。
1つ目の記事では「昭和のおじさんはジェンダーフリーをわかってないな」と思った私も、実は、友人や同僚の妊娠・出産を知ったときに「男の子?女の子?」って聞いてしまう「昭和のおばさん」だったことに気づきました。
いや、この「昭和のおじさん」「昭和のおばさん」という言い方こそ、人を属性や年齢で判断する完全なアンコンシャス・バイアス。日本では、私を含めて、「ジェンダーバイアス」と同じかそれ以上に「エイジ・バイアス」がはびこっているように感じます。気をつけます。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?