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世界農業遺産

世界農業遺産(Globally Important Agricultural Heritage Systems: GIAHS)という言葉を聞いたことがあるだろうか。
2011年に日本で最も早く登録された、新潟、佐渡の「トキと共生する佐渡の里山」をはじめとして、日本でもいくつかの地域が認定されている。

この世界農業遺産で評価されるのは、世界遺産のような構造物や自然物に留まらない。GIAHSのホームページによると、登録地の特徴は次のように説明されている。

(The sites are) resilient systems characterized by remarkable agrodiversity, traditional knowledge, invaluable cultures and landscapes, sustainably managed by farmers, herders, fisherfolk, and forest people in ways that contributes to their livelihoods and food secutiry

https://www.fao.org/giahs/en/

生物多様性、伝統的な知識、文化や景観などに特徴があるレジリエントなシステムであり、それは農家など、その地に住む人びとによって持続的に維持され、彼らの生活、そしてフードセキュリティと密接に結びついたものである。

佐渡にも、何か農業に関わる構造物や自然物などがあるわけではない。トキとともに暮らす島全体の生態系、景観、そしてそれを維持することを可能にしてきた文化や暮らしなど、すべてをその地域固有のシステムとして捉えている。

さまざまな変化の中にありながら、それらに対応し、ずっとその土地に受け継がれてきた持続可能なシステム全体に目を向ける、そのGIAHSのポリシーは興味深い。


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