#翻訳 アメリカの労働力の50%は近いうちにリモートになる。経営者はどのように多様な働き方を管理するべきか。
リモートワークで働くチームでの経験が記された記事が、自分が完全にリモートチームで働くとしたら?というイメージがつきやすくて面白かった。(投稿は2018年8月8日)
筆者Samantha RadocchiaはChronicled(クロニクルド)というブロックチェーンの会社のco-Founder。
Chronicledは2018年5月にサンフランシスコベストテックカンパニーや、2018年世界のブロックチェーン注目スタートアップ25社などにも選出されている。
参考:シリコンバレーのクロニクルドで学んだブロックチェーンの可能性/渡辺創太インタビュー(1)
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アメリカの労働力の50%は近いうちにリモートになる。経営者はどのように多様な働き方を管理するべきか。
大抵の人がリモートワーカーを思い浮かべるとき、おそらくパジャマを着てリビングにいて、しょっちゅう電話に出ている図を思い浮かべる。
現実は、たいてい大きく異なる。
何でも着たいものを着るいうことより、最高の成果を出すために働き方の自由があるという意味合いが大きい。国際会議に参加するために朝6時に起きたり、12時間働くために時間調整をしている意味でもあり得るのだ。
共同創業者にとって、リモートで働くということは全く普通ではない一方、
多くの人々―特にブロックチェーン領域の―は、柔軟な働き方を兼ね備えている。
このフレームワークはどんどん受け入れられつつある。特に、フリーランスは2027年までにアメリカの労働力マジョリティになると言われている中で、産業が進化しようとしていることを示していて、いい兆候だ。
私の現在の会社Chronicledでは世界中の人材と連絡することができる。支社はサンフランシスコにあるにも拘らず、私のチームにはニューヨーク、ロサンゼルス、東京、バンクーバー、ハノイ、カトマンズ、キエフにメンバーがいる。
個人的にも、約1年間にブルックリンに戻り、そこでリモートで働いている。しかしこれは、特に共同創業者としては、難しい点といい点がある。
リモートで働く際に、どのように自分自身―と自分のチーム―をマネジメントしたらよいだろうか。
オフィスから出るための準備を
リモートワークは私の会社の文化の一部であるべきだ。
しかし、もし何も考えず、ただ人に「週に2、3日家で働いても良いですよ」といっても、多くの人は普通にやらないだろう。彼らは、同僚はオフィスへ行き、自分抜きで働いて交流していると考えるとオフィスを去りたがらない。
また、単純に1、2日をオフィスの外で過ごすのは実際逆効果だ。ニューヨークタイムズは、週に3から4日外で働くのが、チームの結束をもっとも強めると報じている。
私の状況では、私はリモートで、その他の人もすべてリモートである。これはリモート勤務が上手くいっている大きな理由だ。私が国の反対側にいる一方で、他のみんながオフィスで一緒に席を並べていると言うのではない。
もしチームの半分は毎日オフィスに来ていて、他の人はリモートで働いているというのであれば、問題にまっしぐらだ。それは人を簡単に取り残された気持ちにさせる。
"バランスを保ったまま、全員が仲間であるという気持ちを作るには、
多様な働き方が重んじられている環境を作るべきだ。”
この姿勢を注入する簡単な方法は、人々に「働き方がフレキシブルになったら何ができるか?」をシェアして欲しいと問うことだ。旅の思い出でも、エンゲージメントの話でも、子供との時間でも―それは、リモートで働くのは普通で会社の文化としてポジティブな要素であるという感覚を大きくする。
また、全員に通常の勤務時間とオフィスを出る時間をシェアしてもらうこともできる。これはミスコミュニケーションを消し、チームの連絡を取りやすくする。そうしないと、不要な緊張と障害を作ってしまうかもしれない―そしてチームは互いの本当のポテンシャルに気づくことが難しくなる。
チームと十分につながっていること
チームとつながって、コミュニケーションを取るためのオプションは驚くほどたくさんある。毎日、人にメール、チャット、スラックし、ビジネスのリズムの中にいることができる。
私のチームはこれらのプラットフォームを利用している上、2週間に一度リーダーミーティングで進捗を報告しあっている。そこでは冗談を言ったり画面上にロボットを置いたりもしていて、参加した人がオフィスやみんなの感じを把握できるようにしている。
これらのすべてのつながりがあっても、ちょくちょくオフィスを訪ねることは有益である。
物事はすごい勢いで変わっていくので、1ヶ月のうち一週間チームと顔を合わせるだけでも何が起きていて、どこに向かっているのかはっきりさせるのに役立つ。
もし対面でキャッチアップしないときは、スラックのようなツールで、連絡をとり、簡単な質問を投げて必要な答えを得ることで、生産性が高い状態を保つことができる。
もしリアルタイムでドキュメントを共同編集したかったら、GoogleDocを使えば皆がアクセスして変更を加えながら資料を共有することができる。
リモートワーカーのためのプロジェクトマネジメントツールも急成長してきている。Asana、Jira、Trello、Basecampのようなツールはすべてリモート社員が自分のタスクを管理し、他の誰がどんなことをやっているのか見れるようになっている。
あなたがどの業界にいようと、そこにはリモートワーカーを管理するのに十分な技術とツールがあるのだから今はいい機会だ。
自分自身と、自分のチームの能力を知ろう
自分のスケジュールを決める自由は、常に時間の自由と一緒ではない。起業家の場合、スケジュールは大抵朝8時から夜8時まで、または24時間365日を意味する。
最初の会社を立ち上げたとき、私は本当に文字通りオフィスに住んでいた(DUMBO社のロフトに住んでいた)。次の会社は、ちゃんと分かれていたので自分の軸にそって仕事をし、自分の時間を効果的に使えるよう調整していた。
しかし、すべての人がリモートに向いているというわけではない。
枠組みが決まっているほうが最高の仕事をする人もいるし、重要なのはそういう認識を忘れないこと。
自分および自チームの働き方について適正を調査できるツールはいくつもある。たとえば、性格診断のMyers-Briggsや、DiSC Profileは自分の行動や資質、強みと弱みから深い分析をしてくれる。他にも、簡単なサマリーを提示してくるもの、たとえばハーバードビジネスレビューの、生産性適正クイズや、Psychology Todayの働き方テスト。
チームの好ましい働き方を把握したとしても、全員それぞれのやり方をするということを肝に命じておく必要がある。リモートでの仕事をどう管理するかを学ぶのに、他の人より多く手助けを要する人もいる。
境界を決めて、本腰を入れる
経営者やリーダーにとって、働きすぎてしまう(怠けすぎるのではなく)、というのはかなりよくある話だ。
私がサンフランシスコからブルックリンに引っ越した時、最初のころは3時間の時差を楽しんだ。しかしすぐに、朝は東海岸での電話会議に参加して、そのあとNYで人と会うというスケジュールを組み始めた。朝遅くから夜8時まで働く代わりに、朝7時から夜10時まで働いていた。
これをしばらく続けていると、消耗する。境界を設けて、何をやるべきかを健康的な仕組みの中に身を置くべきだ。
例えば、月曜日は純粋に仕事の日とする―電話や会議はなし。これは高度なレベルの集中が必要なプロジェクトに、邪魔されずにフォーカスするための1つの方法だ。
時間をあるプロジェクトのためにブロックで区切り、「メールタイム」などと制限を設けることや、仕事の日を分けることは、在宅でより生産的に仕事をするための様々な工夫だ。もし朝起きて、ベッドから転がり出て直ちに電話に出ていたら、生活の質に影響するだろう。
コワーキングスペースは、リモートライフのために何か工夫が必要となった際に考えられる一つのオプションだ。WeWorkは支社に最適だとされているし、またはShredsDesk、Croissant、WorkFromなどのスペースも選択肢にある。どこでも地下鉄の駅周辺をちょっと調べたら、独自運営のコワーキングスペースがいくつかでてくるだろう。
リモートチームのための心構えを作る方法として一番簡単なのが、家の外に出て日中は他の人と会いたい人は、コワーキングスペース代を会社が補填すると申し出ることだ。
リモートで働くということは素晴らしい体験になりうる。初めて見る前に、その現実と複雑さをただ考えてみればいい。