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【エッセイ】読める

 しばらく本を読んでいなかった。

 子どもの頃は字を読むのが好きで、瓶のラベルに至るまで読みまくっていたのだが、40代くらいになってから本から遠のいてしまった。
 大きな原因のひとつが、老眼。字がぼやけて見えたりするので、追うのが面倒になってしまったから。老眼鏡というものを買ったのだが、どうもぼやけが今ひとつはっきりしない。
 本を読まなくても生活には支障はないので、まぁいいかで済ませていたのだが、この間はたと気がついた。

 メガネの度が合っていないのではないだろうか。

 それで、ひとつ高い度のものを買ってみた。おお!くっきり見える!
「読める、読めるぞ!」と、某人気アニメの悪役のごとく喜んで、積読の山を眺めた。

 メガネの度ごときに見栄を張って、若ぶってはいけないという教訓だった。

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