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「スキルス胃がん完治」に感涙

「まだ炎症もあるので定期的に診ていかれることを勧めますが、スキルス胃がん自体は5年経ちましたし、今回大きな問題もなかったので、これで完治したと言って良いでしょう!」と、笑顔の先生。私も満面の笑みと弾む心で先生にお礼を言ってお部屋を出たものの、その後精算を待ってる間スマホで結果をメモってると目がウルウルし出し、「今」が有難くてちょっと感涙。

本当は4月5月に予定していた5年経過のがん検査。採血(CEA•CA19−9)、胸腹骨盤造影CT、および上部消化管内視鏡検査をコロナが落ち着いたら、と伸ばし伸ばしにしてたので、今日やっと全ての結果を聞くことが出来た次第です。

忘れてはならない2015年の春…

私は、2015年4月末、ピロリ退治のために受けた胃カメラ検査で、スキルス胃がんが見つかり、5月26日に腹腔鏡手術で胃の3/4近くを切除しました。手術の際に、リンパ組織を30か所以上摂って調べ、結果どこにも転移していなかったのとまだ小さかったので、ステージは1A。外科手術のみで16日間入院し、その後、食と体力のリハビリに自宅療養期間をもらい、計5週間ほどの休職のち仕事に無事復帰しました。(*当時の闘病記メインのブログ)

スキルス胃癌とは
・胃癌には様々な形のものがありますが、はっきりとした潰瘍やその周りの盛り上がりがなく、胃の壁が硬く、厚くなるタイプの進行胃癌を4型胃癌(スキルス胃癌)といいます。
・他のタイプの胃癌と比較して、若い方や女性に多く、腹膜への転移(腹膜播種)を起こしやすいという特徴があります。
・腹膜播種がなく、手術で切除できた場合でも、腹膜に再発する危険が高いことが知られています。

告知から、ステージが明確に判断されるまでの1ヶ月半ほどの間は、どうなっちゃうのだろうと色々考えると怖くて不安でした。両親も母はその1年前に他界していましたし、父は痴呆症で私の事も何もわからない状態で施設にいましたので、関東にいる弟が2回くらい来てくれたものの、身内に頼れる人もいませんでした。なので、とにかく自分がしっかりしていなければ、という思いで良い結果だけをイメージして過ごしました。

こちらから誰にも連絡はしていなかったものの、食事や飲み会に誘ってくる友人らには事情を話すしかなく、言うとみんな当然驚き「えっ、明日病院行くよ!何かすることない?」とか「逢いにいきたい」と言ってもらってたのですが…私の性格上そんな時も誰にも頼ることが出来ず、みんなに「大丈夫だから絶対来ないで。術後で無理だから元気になったら会おう」って伝えていました。一人で乗り越えるんだって、頑張ってましたね…。

それから、5年間。

4ヶ月ごとに採血、1年ごとに胃カメラと腹部超音波検査を繰り返し、幾つもの季節を、心の中ではずっと祈りながら過ごしてきました。回復力も早かったし、お酒も飲めるように戻って、私が話さなければ、誰にも何も気付かれることもなく、お陰様で普通に生活が出来ていました。

客観的にはとっくに完治してて、何も問題がなかったように見えていたと思います。

本当は飲食に慣れるまで、最初の半年は失敗も何度もあったし、最初の2年くらいはどうしてもコース料理が食べきれなくて、アラカルトでお願いしてたりとか、途中の検査では、幽門がもうない私の胃の中には十二指腸液が逆流することもあり、そのせいでバレット食道の症状が視られた時期もあったし、今回もまだ定期的にチェックして気をつけないといけない症状は残ってはいます。

それでも、先生が「あとは人間ドックの際にでも胃カメラ(バリウムはもう胃のキャパ的に無理なのです)を実施してもらってくださいね」っておっしゃって。あぁ、もうここは本当に卒業なんだな…と実感。

この5年間で新たにたくさんの人と出逢って、色んなことにチャレンジしてきました。せっかく奇跡的な早期発見で助かった命、ちゃんと毎日を大事にこれからも過ごしていきたいと思います。こんな経験をしたおかげで、日々楽しくて感謝しかないです。

オフィシャルに完治…万歳!!!

その他今回の検査結果(備忘録):
胃カメラ検査
・幽門と十二指腸の箇所、切って繋いだところ(ひだひだ)は綺麗
・上側、食道と境目の表面は相変らず炎症がひどい。ピロリが居た期間のツケ
 血管が太く浮き上がっている炎症
・超悪性のスキルスがんについては、5年が経ちこれで完治
血液検査
・腫瘍マーカーはCEA、CA19−9も、それ以外の数値も全て問題なし 
CT
・子宮筋腫、引続き経過観測
・肝臓と腎臓に数カ所水が溜まってるが、問題なし
・心臓からの大動脈上部前方に、3.5cm程のリンパ液が溜まった状態の塊が見受けられる。確認したら5年前も同じ場所に同じサイズだったので問題なし



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