「KAGAYA 星空の世界 天空の贈り物」で天空の神秘に浸る【そごう美術館】
2024年7月1日(月)まで、横浜のそごう美術館にて「KAGAYA 星空の世界 天空の贈り物」が開催されています。
星空写真家であり、プラネタリウム映像クリエイターである、KAGAYAさん。
2006年に発表したプラネタリウム番組「銀河鉄道の夜」は、国内をはじめ欧米・アジアで累計100館を超えるプラネタリウムで上映されています。
その人気は、顧客動員数100万人を突破し、今も記録を更新しているほど。
本展覧会では日本国内のみならず、世界各国にてKAGAYAさんが写真におさめた天空の神秘を堪能できます。
写真と映像とで構成された展覧会
本展覧会は新作32点を含む約100点の写真作品と、16mの巨大スクリーンで星空の世界を体感できる映像作品とで構成されます。
「四季の星空」「月のある空」「オーロラ」「天の川を追う星の旅」「一瞬の宇宙」、さらに新章の「天空を映す」のテーマ別に写真が展示されています。
展覧会のなかには、星や光に関する情報や撮影方法の解説も。
流れ星や三日月はどのように撮るのか、星の等級ごとの明るさ、流れ星と似た光の筋の紹介などがあり、天体について学べます。
説明を読みながら撮影のようすを想像すると、まるで自分もその空間にいるかのような気分を味わえます。
思わず息をのむ写真作品
美しい星空や宇宙の景観をとらえるだけでなく、それらに幻想的な色彩や輝きを与えているKAGAYAさんの写真。
夢の世界に迷い込んだような感覚を覚えます。
ゆっくり、ゆっくり歩きながら写真をぼうっと眺めると、過去のあらゆる思い出と結びついて懐かしいような気持ちにさせてくれます。
印象的だったのは、大きな縦型の4枚並べられた写真。左からタスマニア島、京都、三宅島、アイスランドで撮影された作品です。
星座が映され、無数の星が瞬く写真の迫力にしばらく足が止まりました。
どこにどのような星座があるのか書かれている解説とともに、遠くから、近くからと何分でも楽しめます。
こちらの空間には椅子もあるため、時間が許す限り作品に囲まれて非日常を味わえます。
没入感を味わう映像作品
大画面の映像作品では山々に隠れる星や、海辺、氷の塊など、くるくると映像が変わり、あらゆる世界に連れていってくれます。
(動画は撮影不可でしたので、KAGAYAさんがXにアップされた映像を貼っておきます)
画面の両端には鏡が張られているため風景が奥まで続いているように見え、足元にまで流れることで臨場感があふれます。
波がこちらに、奥にとゆれる映像を観ていると、まるで南の島に旅行しているかのような気分になり、時間がたつのも忘れてしまいそうです。
星空映像は1枚あたり2〜20秒かけて撮影した写真を、数百枚とつなげて再生したもの。
こちらの制作方法により、星空の動きや空の色の変化をわかりやすく見ることができます。
こちらの映像作品に使われた写真は数千枚というのですから、おどろきです。
前には椅子がいくつか置いてあります。空いているようであれば、ぜひ座って鑑賞してみてください。
超小型人工衛星『EYE』を用いて撮影された作品も
展覧会ではソニーの超小型人工衛星『EYE』も展示されています。
ラストにある月と地球の写真はEYEに搭載されたカメラを使って撮影されたのだそうです。
撮影にはまず、コンピューターを使ってEYEがいつ、どの上空にいるのかを調べ、意図した構図が撮れそうな日時を秒単位で設定。
露出や感度、絞りなどの設定を決めてEYEに指令を送り、シャッターをEYEに切ってもらいます。
EYEは予定どおりの姿勢の制御ができないという不具合を抱えているため、何度も挑戦して撮ったと記されています。
そごう美術館でショートトリップを
無数に輝く星の光を見ていると、まるで日常から引き離され、別世界にいるような感覚を覚えました。
一つの作品ごと、遠くで全体を見たり、近くで星座や色の微細な変化を見たりして楽しめます。
映像や写真をじっくり観るためにも、鑑賞には少しゆとりを持つとよいでしょう。
KAGAYAさんは展覧会を通して次のように記しています。
「この世界は、知らなければ見過ごしてしまう贈り物であふれている、と私は思っています。(中略)この展覧会が、そんな『天空の贈り物』を見つけるヒントになったらうれしいです」
星や宇宙の美しさと神秘があますことなく表現された、こちらの展覧会。
ぜひ足を運んでいただき、奥深い世界への不思議な旅を満喫してみてください。
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