【机上の時間】

画家の絵に込めた想い。
これから自分の作品への想いを、絵の画像と共に、皆様にきちんと伝えてみようと思います。*表現に用いてるのは、古典画法であるテンペラと油彩の混合技法。

膨大な時間と手間をかけて、何層も薄い絵の具の層を重ねていく技法です。そうしてできる複雑さが、本来見えないはずの「時間の経過」と重なるので、制作点数は少ないのですが、この表現方法で描いてます。
-------------------------
机上には、別の時間が流れている。

IMG_9409のコピー 2のコピー


ーー
【机上の時間】
サイズ40.7×32㎝(F6号)
板、油彩テンペラ(混合技法)
sold out
ーー
【時間】については10代から今もずっと考え続けているテーマだ。(多分死ぬまで考え続けるテーマだろう)
皆、同じ時間、同じ世界の中で生きているようで実は違う。
気がついたのは友達に自分の感じたことを話した時だ。
同じ出来事も、私と受け取り方が全く違っていたのだ。三番目に話した友達は、私とも、二番目の子とも、また違う受け取り方をしていた。
不思議で不思議で。
注意深く周りを見ていると、どうやら同じ何かが起こっても、受け止め方も、記憶の積み重ね方も人によって全く違う。
同じ場所、同じ時間を共有してるはずなのに、人それぞれ違う薄いフィルターを通して、少しづつ違う記憶が蓄積されるらしい。
そうして、何年か経つと、それぞれの中で、全く違う思い出になるのだ。
一見、同じ世界を共有しているようでいて、それぞれの時間やフィルターを通して生きている。
F6号サイズのこの絵を描くのに、夥しい時間を費やした。
何枚もエスキースを描き、実際に机にりんごや洋梨を並べて、1か月。
描きはじめてから、なかなか上手く行かなくて、ヤスリで削り、テレピンで拭き取り。数ヶ月。
板作りからだと半年近く?
面相筆で何度も描きこむから、絵を見るとまた追体験できる。
絵を見たある人が、「時間が止まったみたいな不思議な感覚になる」と言った。
絵の中に、時間を詰めてみた。

他の作品についての話はコチラをどうぞ↓


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?