【洋梨時間 ー青い鳥ー】

鎌倉のテンペラ工房に通い、この繊細(かつ堅牢)な古典画法が馴染むようになった頃。
身の回りのもの=現実、絵の中=非現実、架空、が技術の向上と共に表現できるようになって嬉しくてたまらなかった記憶があります。

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この絵は、洋梨を人に見立てた連作の一つ。他の絵は別記事で。
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【洋梨時間 −青い鳥−】
板に油彩・テンペラ
40.5×25.5㎝
SOLD OUT
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テンペラの繊細なハッチングで、非現実→現実へ移行する時は、動悸がするくらい。多少、人生の何かと引き換えにしてもよいと思える位の興奮がある。


この絵は銀座のグループ展に出品。その時はご縁がなかったのですが、一年後に銀座の個展(別の画廊)に出品。
ふらりと現れた若い女性が購入して下さったのですが「◯◯画廊で見てずっとこの絵が気になっていて。個展に行けばまた見れるかと思って」


同じ銀座エリアの画廊でも、経営者が違い、扱う作品の傾向が違うとお客様も全く違う。

(そこで扱う絵はもちろんですが、画廊主のファンでもあるのでしょうね)


純粋に絵を目掛けわざわざ絵に会うために地方都市から来てくださったことに驚き。
おそらく私と同世代、ちょっと背伸びする買い物であったのは間違いなく。

絵が作者の手を離れて独り歩きする。

喜びと同時に、絵を描いて、発表することの「責任」のようなもの、を初めて感じた瞬間でもありました。

同じテーマの絵は「かわいい妄想」など


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