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バプテスマ

バプテスマを今すぐ受けられないからと言って凹んでる場合では無い。

わたしはやるべき事をやらねばならない。

その頃、母は学校に行きたがらないわたしについて、離婚のこと含めて保健師さんや心理士さんに相談をしていた。


一方で、わたし自身は、どうにかせねば、と言う正義感で母と衝突していた。
まだこの時はバプテスマのためにも母に従っていた気がする。
ただ 従順でありなさい。 と言う教義通りには従わなくなっていく

周囲はわたしが「親の離婚」がショックでこうなったんだと思っていたようだ


この時から幻覚も
幻聴も聞こえ始める

エホバなのか御使いの声なのか幽霊なのか妄想なのかもわからない


とにかくわたしの何かがぐちゃぐちゃしはじめた


バプテスマのための討議を何度も受けるのを挫折しそうになった

その度に聞こえてくる「1度決めたことをやり遂げなさい」や「あなたの信仰心は…」や「エホバがついてる」などなど


これらが母の言葉なのか同じ信者からの言葉なのか幻聴なのか、わたしには区別はつかなかった。


自分を信じるためにも何かを「成し遂げる」ためにも
どこの誰かが言ってる言葉だとしても「やらなければならなかった」


この時のわたしはもうバプテスマを「受けたい」のではなく
「受けなければならない」


何かに取り憑かれたかのように思っていた

気づけばよかった
開拓奉仕も集会も今まで頑張ってきたんだから、じゃなくてバプテスマを受けたら「また」頑張ることになるんだと言うことに


わたしは2回目の討議を受けた


自信もなかったけど
やり切った感じはあった


やっとバプテスマを受ける権利を得た


エホバはわたしに必要な試練を与えたのだ、と感じた

この試練にわたしは勝ったのだとそう感じた



次の大会でわたしはバプテスマを受ける


いつも母や弟と座っていた一般席とは違ってバプテスマを受ける人たち専用に座る
そこに座っている人たちは年齢が違えど同期のようなものだ
親から離れて座るはじめての場所
わたしも大人だと 仲間だと認められる場所

ここにいるだけで見知らぬ信者たちからも「おめでとう」と言われる
言われれば言われるほどに高揚感が増す

やっとここまできた!

嬉しかった
親が離婚しようが
わたしの居場所はここにある
嬉しい
父からバプテスマを受けることに関して小言を言われても
わたしは迫害を受ければ受けるほどに信仰心が強くなると思っていた
嬉しいんだ
念願のバプテスマを1年遅れでも受けることができる
この日のためにいろんな会衆からわたしのバプテスマを見るためにみんな来てくれた
感謝の気持ちと信者として生まれ変わるためにもわたしはこの10月23日を境に変わるんだ、と信じた。


信者になるための最後の質問に答えた
水着に着替えて準備をした
一つ心残りがあるとすれば大会ホールが海老名やアリーナではないことだ
わたしは憧れの場所で受けたかったけど仕方のないことだし
何よりも姉妹になれるんだからと心が躍った


着替えをして
階段を登って
降りて
室内に併設されてるプールに浸る

バプテスマの介助をしてくれる兄弟に身を委ねる
水に浸かって気づいた

…わたし、カナヅチなことを思い出した

急にバプテスマに対するワクワクがなくなり青ざめる
こ わ い
水が怖くて体に力が入る

水に沈まない

浮いてしまった

バプテスマで一回で沈まない=排斥される確率が高い
というジンクスがある

わたし沈まなくて浮いてしまった

2回目を行う


沈んだ


よかった


もう頭の中はプチパニック
着替えて支度をしてホールに戻ると
母を含めて仲良かった兄弟 姉妹たちが迎えてくれた

おめでとうー!
見てたわよ
よかったわあ
ここまでくるのにとても頑張ったことを知っているから涙が止まらなくて


などなど言ってもらえた

母からの一言は「沈まなかったね、排斥なるんじゃない?」だった
毒親はいつまでも毒親w
緊張してこなしたのにも関わらず褒められることはなく
感涙しながら嫌味言われるw



このような感じで千葉の大会ホールでバプテスマを受けた


この後のこの日の記憶はほとんどない


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