温泉001

薬湯カレンダー

皆さんは、日々の暮らしの中にハーブを取り入れていますか。

ハーブティーを飲んだり
ハーブを入れたお風呂(ハーバルバス)を楽しんだり・・・
こういうことは
ただ「美味しい」とか「気持ちいい」というだけでなく、
何かの効果を期待して行われてきたことでした。

「昔の人が行ってきたことは、
 厳しい生活の中で必ず意味のあるものだったんですよ。
 美味しいとか楽しいということだけで始まったものはありません」
と教わったことがあります。

ハーブから抽出した浸剤・煎剤(*)を、
生活に活用するということは、
体を温めたり、殺菌作用でキレイにしたり、
さまざまな目的で行われてきたことでした。

これは、古今東西にみられるものです。
ハーブティー、ハーバルバスなどというと、
ヨーロッパのものという気がしますが、
日本にも、ショウガ湯を飲んだり、柚子湯に入ったりと、
昔から根付いた伝統があるのです。

*浸剤・煎剤
 浸剤(infusion)
  ~ハーブを湯に浸して色・香り・成分を抽出した液
 煎剤(decoction)
  ~ハーブを湯で煮出して色・香り・成分を抽出した液

 これらを飲んだりお風呂のお湯に加えたり、
 あるいは湿布につかったりするのですが、
 煎剤の場合、苦味が出たり成分が強くなることがありますので、
 煎剤を飲用する場合には、医師やアドバイザーの方に相談しましょう。

2019年もあと1ヶ月を切りました。
せわしい年末でも、日々の生活の中で、
入浴は私たちを癒してくれる貴重な時間です。

市販の入浴剤を用いるのもひとつの方法ですが、
わざわざ色や香りを人工的につけたものではなく、
自然をそのまま楽しめるといいですね。


「五木八草(ごぼくはっそう)湯」というコトバがあります。
これは、薬用としてつかわれた植物を入れたお湯をさし、
その種類には諸説あります。

【五木】
 桑(クワ)
 槐(エンジュ)
 楮(コウゾ)
 楡(ニレ)
 柳(ヤナギ)
 桐(キリ)
 樗(センダン)
 朴(ホオ)
 桃(モモ)
  などのうちから五種をさすことが多いです。

【八草】
 菖蒲(ショウブ)
 艾葉(ヨモギの葉)
 車前(オオバコ)
 荷葉(ハスの葉)
 蒼耳(オナモミ)
 忍冬(スイカズラ)
 馬鞭草(クマツヅラ)
 繁縷(ハコベ)
  の八種ですが、ほかに、
 胡麻(ゴマ)
 芥子(ケシ)
 芍薬(シャクヤク)
  などを数えることもあるそうです。


また、日本には古くから季節に合わせて薬湯を行う習慣がありました。

 1月 松(マツ)
 2月 大根(ダイコン)
 3月 蓬(ヨモギ)
 4月 桜(サクラ)
 5月 菖蒲(ショウブ)
 6月 蕺草(ドクダミ)
 7月 桃(モモ)
 8月 薄荷(ハッカ)
 9月 菊(キク)
 10月 生姜(ショウガ)
 11月 蜜柑(ミカン)
 12月 柚子(ユズ)

5月の菖蒲と12月の柚子は、
今でもおなじみではないでしょうか?

2020年は、毎月「今月の薬湯(ハーバルバス)」をお送りします。

応援してくださるととても嬉しいです!