パンダの足あと~その5の2:「滝本晃司ライブ」(@京都SOLE CAFE/2016.09.17)
■想定外な快適さ
当日。仕事を終えて、急いで帰宅した。
夕食を食べて入浴して、化粧水を塗りたくって眉毛だけは書いて、マスク装着。Tシャツはわりとテキトーなものを着て、リュックを背負って22時ごろに家を出た。バスは0時40分発だったからそれ以降でも間に合うのだけど、出かけるのが億劫になってしまう。本来は出不精なので。
新宿駅に着いたのは23時半よりも前。
この年の4月に開業したバスタ新宿を使うのは、5月の静岡行きに次いで2度目だった。夏には友人を見送る時にも寄った。
自分が夜行バスに乗り込むために訪れたのは、初めてのこと。
この頃はまだバスタ内にコンビニが無かったため、新宿駅構内でペットボトルの水を購入しておいたのは正解だった。
バスタの中のトイレに行こうとしたら、行列がすごかった。それでもトイレには入れたものの、洗面所も大混雑で歯磨きができない。諦めて乗り場に向かい、バスを待つことにした。
日付変わって0時30分頃。バスがやってきた。
始発が新宿ではなく大宮だったため、すでに半分は埋まっている。
名前を係員に告げると、席番号を案内された。
席は通路側。同性を隣りにしてくれる会社なので、窓際にはすでに女性が座っていた。まだ起きてらしたから、軽く挨拶をした。
「ちえ、今回は通路側かー」と、この時は思っていた。
バスは定刻通りに出発。
後ろに断りを入れてからシートを倒そうかと思ったら、キャンセルで無人。心おきなく倒せた。
そして、さすが“ゆったり設計”。前の乗客がシートを倒してきても、圧迫感が無い。これはよい。
その上。
最初の休憩は足柄SA。
新宿で出来なかった歯磨きのために降りようとして、気が付いた。
「通路側って、乗り降りしやすい!!!」
当たり前だ。
しかしこれが、思っていた以上に快適だった。
3回の休憩はすべて降りた。これのおかげか、降りた後も体がラクだった。奈良の時は、降りた後に体がビシビシいっていたけれど、今回は大丈夫。
私はこの時以来、バスに限らず席が選べる時は必ず通路側を選ぶようにしている。
■Go West
バスは途中三箇所、足柄・浜松・土山の順に停まった。
最初はEXPASA足柄。貴重品と歯磨きセットを持って下車。バスの入り口には、何時まで戻るようにと時間が大きく書かれたパネルが掛けてあった。
降りてバスの外観とナンバー、あと周辺を軽く覚える。似たようなバスが多く停まり、迷ってしまうこともあると聞くから。
店舗はだいたい閉まっているけれど、24時間営業のコンビニがあるのでそこで買い物ができる。
空を見上げて、山の中のだだっ広い空を仰ぐ。スマホの地図で今どこら辺なのかを確認。東京を出て、関西に向かっている……ということを視覚で捉えて実感。じーん。
休憩時間は二十分ほど。急げー!と歯磨き・トイレを済ませ、バスに戻ってもあと5分ほどは余裕があった。むしろ隣がまだ戻っていない状態。
乗客が全員戻ってきて運転士が無言でバスの奥まで確認、それから静かに出発した。
バスは西へと向かう。
バスの中は、やはり快適。
大の字は無理だけど、靴を脱いで足を伸ばし、設置されていたひざ掛けをかけた。
空調で喉がおかしくなりつつも、気温はちょうど良い。バスに乗った時点で外していたマスクを、再び装着した。
ただ電気は消してくれているものの、うっすらと明るい。私は真っ暗でないと熟睡できないのだけど、途中で降りたかったからちょうど良かった。
この時は知らなかったけれど、紙製アイマスクを常備しているバス会社も多い。(だいたい入り口に、マスクとかと一緒に置いてある)
耳にはイヤホン。大好きな音楽を聴きながら眠りに就く。ちょこちょこ目が覚めるものの、ウツラウツラするのも心地よい。自分がどこでも眠れる性質であることが、この時ほどありがたいと思ったことはない。
(その5の3につづく)
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