初夏のお茶会『吾寿成路会(あすなろかい)』
三木美術館の5階の茶室をご存知でしょうか。この茶室の床柱に檜葉(ひば)別名、翌檜(あすなろ)の木が使用されていることから『檜庵(かいあん)』と名付けられました。
2023年5月19日にこの『檜庵』を中心にしたお茶事が催されました。正式なお茶事は、懐石からはじまり濃茶、薄茶でおもてなしをするため本来は4時間ほど要します。しかし三木美術館では濃茶・薄茶・点心と少人数での流れを工夫したお茶会を開催しました。
爽やかな5月は初夏の季節の始まり。お茶の世界もがらりと様子が変わります。炉から風炉へと移るこの時期に初めてひらくお茶席は初風炉とも呼ばれます。
この大きな節目のこの時期に開かれたお茶会の亭主は、京都の古美術商であり『蘇鐡庵』の主人である水守清隆氏。薄茶亭主はご次男の清人氏。ここ数年はコロナの流行で生活様式が一変していましたが、世の中も少しずつ落ち着いてきて生活が平常に戻りつつあります。そのことに感謝の気持ちを忘れず、お茶を差し上げたい。愉しみたい。そんな趣旨をもって水守氏が亭主を務められるということでわざわざ東京から参加された方もいらっしゃいました。
お茶事が催された当日はあいにくの雨模様でしたが、集まられた皆さんは湯の沸く音に耳を傾け、亭主との時間を満喫されていました。これからも毎年開催していきますのでご期待ください。
[企画制作/ヴァーティカル]
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