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123天文台通りの下町翁 雑記帳~ 俳優 瀧内公美の魅力~

渋谷の映画館での春本雄二郎・監督「由宇子の天秤」予告編を見て、主役・瀧内公美の目力に惹かれ、公開後その本編も2度見た。それから彼女の主演、脇役含めて過去の出演作品を見漁る。見ていくうちに、ここまで表情が変えられるものか!とその役者魂というのか、演技力にたまげる。デビューした出演作「グレイトフル・デッド」(内田英治・監督)での孤独な人を観察することに悦びを感じる若い女性役、映画前半で見せた孤独っちを見つけた時の嬉しそうな表情は、相当に脚本を読み込んで役に成りきらないと作れないものだし、あるいは元々の自身の心の中に理解できる素養がないとできないものとすら思える。

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はたまた、瀧内が柄本佑との共演で映画を通して体当たりで濡れ場ばかりを見せ、キネマ旬報主演女優賞を獲得した「火口のふたり」(荒井晴彦・監督)で見せる様々な表情は七色変化と呼べるほどだ。

いくつかネット上で見られるインタビューの中で彼女が語っているが、肌を見せる演技を求められて出演の声がかかるのには感謝するが、そろそろそうではない作品や演技に幅を広げたい、要は"消費"されない役者になろうと感じていることは、なかなかのしっかり者で好感が持てる。現に「由宇子の天秤」には、春本監督の「かぞくへ」という作品を見た上で泣き、自ら監督に映画作りに関わりたいと声をかけて実現に至ったというエピソード知ると、その賢い感覚は磨いてもらいたいと思う。今後の活躍を大いに期待したい役者だ。

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