見出し画像

白雲尽くる時は無し

北海道日本ハムファイターズとの交流戦、引退セレモニーが開かれるとの知らせに、いつもより少し早く足を運ぶと、スタジアム前でファンと談笑する本人、立野和明投手。

自分の姿を見つけると、
「ありがとうございました。」
と右手を差し出してくれる。

先週書いた記事を見せると、じっくり一文字一文字を追い。

それから、沢山沢山話した。

本当は高校時代で野球を辞めるつもりだった事、引退を決意した理由、富山サンダーバーズの現状、引退後の予定などなど。

”立野ロス”に痛みを感じていた自分は沈鬱な表情をしていた筈。
だからそっと、帽子を深く被り直した。

公式球を持って来ていたので、サインをして貰う。今日の日付を書いてくれたのは、彼らしい気遣い。

一文字一文字丁寧にサインしてくれました

引退セレモニーでは始球式を務め、富山サンダーバーズの吉岡監督と島崎ピッチングコーチ、北海道日本ハムファイターズの柿木蓮投手から花束を受け取り、感謝の言葉を述べる。

北海道日本ハムファイターズの選手達も拍手

「本日は…(胸が詰まり、しばし言葉を失う)この様な場を用意して頂いた両球団、関係者の皆様、ありがとうございます。約20年間の野球人生に区切りをつける事にしました。

この決断に後悔はありません。

最高の指導者、最高の仲間と共にプレーが出来た事が一生の財産です。
良い時も悪い時も、沢山応援して頂いたファンの皆様の力は、ボクの力になりました。

ここまで野球を続けせてくれた両親に感謝したいです。お父さん、お母さん、ありがとうございました。

最後に…本当に今までありがとうございました。」

もうすぐ引退セレモニーが始まる別れ際、互いに手を振りながら、
「また。」
「また。」

最後にこの言葉を交わせたのは、かけがえのない際。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?