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三龍戦騎RPG復刻リプレイ 第7話「ぼくの発掘戦艦」第2章

 ガルナス・メイの怪しい依頼人・レアに、シュンカとクイナは護衛として雇われた。古文書に記された発掘戦艦をみつければ大手柄だというのだ。
 だが、問題の海域はガルナス・ダガン直轄領である上に、ファーグニル艦隊の演習海域に近く、しかも向かう途中で武装不審船に砲撃されたりするのであった。
 ぶじ発掘戦艦は見つかるのか? それ以前にこの依頼人、大丈夫なのか?


ガルナス・メイ属のサンプルPC絵。
メイは機刃衆という職能宗教集団を組織し、群れで発掘竜型兵器「蘇龍機」を運用する。そのパイロットは機刃守という。

【場面5:襲撃!】


GM 次の日。当直に誰か立っているだろうね、いまはクイナの番だ。トモガミに騎乗しているだろうから、トモガミ判定値、「知」で難易度10で振ってくれ。

クイナ 知性が低いんだよね。……合計8だ、失敗した。

GM クイナは奇襲に気づかなかった。突然、船が大きく揺れて、メイたちが、「ピイー!」「ジュピッチャ!」などと騒ぎ出す。

シュンカ ……まずカダンヒトデを初期装備として入手して、三式重機を後で買ったほうが有利だった……ぶつぶつ(まだ昨日のことを根にもっている)。

GM 「左舷に、何か障害物が!」
 そして、竜の咆哮が聞こえてくる! 二人とも知性、11で振ってくれ。

クイナ おっ! 1ゾロだ。

GM 「流木だな」とか言ってるんだろうな(笑)。

シュンカ 「なにごとだ!」と、起きてきたよ。11!

GM ……シュンカには分かった。甲板に乗り上げてきているのは、全長9メートルほどのソウリュウ類だな。
 蒼竜、つまりはモササウルスだ。肉食性の、巨大な海トカゲ竜だよ。手足はヒレ状になっている。その背には、ヒレのついた海棲人の少女が跨っている。トオミ属だね。
「早く応射してください!」メイが叫ぶ。

クイナ まず接敵する。

シュンカ じゃあ、「放心惹起」をかけてみよう!

クイナ クイナの「感情投射」もコンボでかけてみたらどうだろう。


 アラガミ師は「龍魂」の技能により、他者の心理を操作することができる。
 しかし、トオミ属のように強い龍魂をもつ種属に対して使い、失敗すると、術をかけたことを察知されて不利な状況になることも……。



シュンカ よし、じゃあクイナが敵を悲しい気分にさせたところで、私が放心させよう(意味不明)。

クイナ いったい何のコンボなんだあー!?(笑)

GM まあ、今回はそちらから行動でいいや。

クイナ じゃ、ちょっと敵を悲しくさせてみるよ。龍魂の念を凝らして、「感情投射」をかける。達成値は12.

GM トオミの少女は……13を出した。
 防御された、精神障壁を下ろしているようだ。龍魂術をかけられたのが分かるから、これで、次の攻撃目標はクイナになったな(笑)。

シュンカ 今度はわたしが「放心惹起」を。念を凝らして、12!

GM それはかかったな。トオミ属の少女が「ほかっ」と一瞬ほうけて、天を見上げている。攻撃が、一瞬やんだ。「和魂」はマイナスしておいてね。
「ええーと。いま、何をしてるんだったかなあ……」


トオミ属の少女。
惑星アマミツヨのヒューマノイドは衣服を着ないことが多く、当時身内では裸(ラ)・RPGと言われていた(まめちしき)。


シュンカ 「よし、成功したぞ。きゃつの龍魂はいま虚ろだっ!」
 よしクイナ、ヤツを騙すんだ!

GM 効果時間は、設定してなかったけど、そんなに長くないからね。

クイナ 「いまね、あなたがちょっと溺れそうになっていたから、引き揚げた状態なのよ」

トオミ属/GM 「ああ! そうでしたっけ? でも何か、戦っていたような気がするのですが」

クイナ 「まあ、それは気のせいでしょう。ホラ、あんなにトモガミも必死になって甲板にしがみついている(笑)」

トオミ属/GM 「あら、太郎もあんなに必死になってる。そうねえ、じゃあ、帰りますか……」と、少女はソウリュウにまたがって海上に去っていく(笑)。


 「放心惹起」は、現行(当時)の二一型ルールによれば、「戦闘中は使用できない」とされている。したがってこのような用法はできない。


レア/GM 「あ、あれ? なんか、敵が帰って行きますね」レアが怪訝な顔つきで言う。
「それにしても、トオミ属にまで情報が洩れているとなると、厄介ですなあ……」

GM 戦闘が終わったからキズナ判定していいよ。

クイナ 冷静に考えると、今の戦いではトモガミは何もしてないよね。

シュンカ 余計なことを言うなよ(笑)。それにしても、ミツリュウカダンヒトデを初期装備にしておけば……(まだ言っている)。


 クイナが失敗した。2Dをふってキズナ判定失敗表を適用した結果……。


GM 突如、クイナの「護頭」が、シュンカの「戦火」に嘔吐した(一同笑)。

シュンカ 「わあっ、クイナ! 何をしているんだ!? 戦火が穢れたーッ!」

GM 「戦火」が怒ると思うから、キズナ判定をしてくれ(笑)。……まあ、戦火は怒ったけど、どつかれたぐらいで済んだようだ。
 レアが来て、「あなた一体何をやっているんですか? 甲板、ちゃんと掃除しておいてくださいね。ひよひよ」

 一言多い依頼者・レアであった。

場面5 おわり

【場面6:食堂】



レア/GM さて、食事時。「それにしても、やはりダガンの帝国直轄領に、無断で侵入するのはまずいですかねえ。一言ぐらい、断っておくべきでしょうか。
 実を言うと、ぼくの祖父が、かつてのレンガ沖海戦で、いまのレンガルナ領主とともに戦った仲らしいんですよ。ただ、ぼく個人としては領主に面識はないので……あまり交渉とか、したくないんですワ」

シュンカ 「なぜ? 祖父どうし面識があるなら、話も通じやすかろう?」

レア/GM 「いやーあ、めんどくさいんでネエ(笑)。領主の名前は、ダル・ゴラスというんですが、代理として、あなた方に交渉をお願いできないでしょうか?」

シュンカ うーん。まあ、黙って直轄領に侵入するよりは、話してみた方がいいだろうな。

レア/GM 「しかしあなた方、ダガンと交渉した経験はおありですか? 直情径行で、なかなか厄介ですよ。天魂もこちらにいないし」

シュンカ 「ダガンとの交渉経験は……ないな。しかし、何もせずに事を荒立てるより、何かして事を荒立てたほうがマシだろう

レア/GM 「では、三時間後、この近くにあるガルナス帝国の街・レンガルナ市に寄港しますので、交渉の用意をお願いします」

シュンカ 「何かガルナス・ダガンの喜びそうな品物でもないかな……色仕掛けとか?」魅力は2だ!

クイナ 魅力1だよ(笑)。

シュンカ 水着姿で攻めれば!

クイナ 色仕掛けとか出来なさそうだよね。「感情投射」でハッピーな状態にしてやれば(笑)。

場面6 おわり

【場面7:ガルナス帝国・レンガルナ市】


 ガルナス帝国は、三龍帝国と同盟関係にあり、「帝政大三龍共榮圏」を構成する強大な軍事国家である。

 臣民は二種類の爬虫人類で、一種は大型のガルナス・ダガン、もう一種は、やや小型で鳥類的な特徴をもつガルナス・メイ。
 支配階級は、ダガンのほうだ。

 この二種は、ともに異なる惑星世界を起源とする(らしい)全く別の生物種だが、複雑な歴史背景により、メイの国家〈ガーグ宗王国〉は、ガルナス帝国に併合されてしまったという経緯がある。

 いまでも、ガーグ宗王国は、国際的に国家として承認されていないのだ。
 このため、同じガルナス帝国臣民といえど、メイとダガンの政治的関係は微妙である。

 共榮圏の戦力という視点からみると、ダガンは「竜撃士」、すなわち高機動型・強化歩兵であり、メイは「機刃守」として「蘇龍機」を駆り、ちょっとしたアラガミに匹敵する大型戦闘車両に類する。両者は歩兵・戦車の複合部隊に似た構成で運用されることもある。


ガルナス・ダガン属


GM 三時間後、船はレンガルナの港に到着した。港の奥に、ガルナス帝国の街が広がっている。
 央天青にもガルナス街はあるが、それをもっと濃くしたような建築様式だ。派手な極彩色の、少し中華風な? 寺院などが林立している。
 竜撃大筒をもったゴツい爬虫人類がたくさん歩いている。恐竜を連れている者もいるね。

シュンカ 「これだけダガンがいると、流石に壮観だな。レア殿は大変だ」

GM レンガルナ港は活気のある港で、ダガンの港湾作業員がたくさん働いているのが見える。
 貨物船はやはりシンテツの拡張筐体が多い。ファーグニル船籍の貨物船もちらほら見受けられる。民間企業のものだろう。


竜撃士。竜撃大筒と呼ばれる生体ビーム砲とキズナをむすび、トモガミとする。


シュンカ 「よし、ではこの街の領主ゴラスとやらに会いに行こう」

レア/GM 「いきなり予約もナシに行って会ってくれるかどうか……。まあ、交渉は全てお任せしますよ」

シュンカ 「じゃ、トモガミに乗って行くか。あ、レア殿はクイナの後ろに乗ってもらおう」

クイナ 「いやいやいや。こっちのトモガミのほうが小型だから、そっちに乗せるべきでしょ?」

シュンカ いやヒメテイリュウだって体長6メートルぐらいだよ?

クイナ いやいやいや、何ていうか、堅頭竜の方が尻尾が短いかもしれないし。ちょっとネ、鳥は乗せないことになってるんだよネ。

シュンカ 「私も、〈戦火〉に鳥は乗せないことにしているんだ(笑)」

レア/GM 「なっ、何ですかあなた方!? 人種差別発言ですか!?」


ガルナス・メイ属


クイナ ちょっとね、台詞の後にジュピッチャアとか言うのが困るんだよね。

シュンカ 「じゃあレア殿は、我々の後に徒歩でついてきてくれ。トモガミと我らの絆は神聖なものゆえ、他者を乗せることはできぬ」

レア/GM 「はあ、そういうものですか」

クイナ 「特に、メイはね……」

レア/GM 「何か今、言いましたか!?」

クイナ いや、今のはプレイヤー発言。

レア/GM 「しょうがないなあ、ひよひよ……じゃ、後で領主の官邸で集合しましょう」まあ、アラガミ師の慣習だと勘違いしたようだな。

クイナ 可哀想、本当にトモガミに乗せなかった(笑)。まぁクイナ的に、乗せる気は全くないけどね。

GM じゃ、君ら二人は先に領主の屋敷に向かうわけだね。央天青あたりに比べると、だいぶ街並みが派手だね、極彩色の木造建築ばかりで。それも五重塔とか、そういった様式のものが多い。

場面7 おわり

【場面8:レンガルナ領主の館】



GM しばらく行くと、ひときわ派手な、領主の屋敷が見えてくる。ちょっとした宮殿のようだ。門の脇には、大筒を構えた竜撃士が二人立っていて、「止まれ、何用だ?」


竜撃士は、武魂発動により、竜撃甲という高機動生体パワードスーツを着装する。
装甲は薄いが、ホバーによる高速移動が可能。
竜撃大筒から発射するビームは「電磁」ダメージであり、強力な一刺しとなる。


シュンカ 「こちらの領主殿と面会したい」

衛兵の竜撃士/GM 「ゴラス様は、予定のない者とは会われない。ご多忙なのでな」

シュンカ 「なるほど。では、今、予約を入れた。一分後に面会したい」

竜撃士/GM ? ? !?

クイナ 何を言ってるんだ(笑)。

シュンカ 強行突破するわけにもいかないよな。

GM などと衛兵ともめていると、君たちの後ろに、ガラガラとイグアノドンの馬車? がやってきて止まった。中からレアが降りてくる。
「お釣は要らないよ♪」

シュンカ ウザすぎる。

レア/GM 「どうしたんですか?」

シュンカ 「いや、予約がないと領主殿には会えないそうだ」

レア/GM 「そこを押し切るのが代理人の話術というものでしょう? 早くしてくださいよ、トオミ属やダガンに狙われてるんですからね!」

シュンカ むう。じゃ、もう一度、衛兵のところに行って、「事情が変わったので、緊急で今すぐ面会したいのだが」

竜撃士/GM 無言で、竜撃大筒の銃口をシュンカに向ける。

シュンカ 「いや、実は当方の依頼主が、ゴラス殿と旧知の仲なのだよ」

GM そうすると、衛兵が取り次いでくれて。三十分ほど待たされただけで、屋敷の中に通された。
 内部も派手で悪趣味な構造で、あちこちに天魂の像などが飾られている。召使を従えた天魂が、ふわふわと通路を横切って行ったりする。

レア/GM 「流石ダガン、悪趣味ですねえ」

シュンカ 「ダガンの前でそんなことを言ってはならんぞ」

GM 謁見の間は、赤い絨毯がひいてあって豪華な調度だ。で、領主・ゴラスが座っている。年経た、立派なダガンだ。豪勢な衣装を着込んでいる。「私がダル・ゴラスだが、諸君は?」

シュンカ 「えと、わたしは代理人なのでこちらのレア殿から」

レア/GM 「私は、レグ・ガラガ・パラ・レアと申します。まだ蘇龍機は所有しておりませんが、日々そのために邁進しております。このたび、貴殿の領海を通行するための許可を頂きたく、ここに参上つかまつり申した」

ゴラス/GM 「おお、おお。レア殿とは君のことか。かつて、レンガ沖海戦では、君の祖父殿とワシは戦友だったのじゃよ」と、昔を思い出しているようだ。
「では、ちと早いが、晩餐でも供にしながら、当時の思い出話に華を咲かせるとしようか」

クイナ ……同席しなきゃいけないのかね(嫌そう)。

レア/GM まあそういうことだ(笑)。「(シュンカたちに)ここで彼の機嫌を良くして通行許可をもらって、ダガン側からの妨害を排除しておかないと。他にも、ファーグニル軍とトオミ属の妨害が入ることは確定なんですからね」


 などと話しているうちに、少し早い時間だったが、夕食となった。


GM ダガンの料理は、非常に辛いのだが、食材はメイのものに比べるとマトモだ。長大な机に、皿が幾つも並べられている。召使に天魂が混じっていて、ちょこまかと食器を持ってきたりしている。

シュンカ 「……大分、天魂が目につきますな」

ゴラス/GM 「はっはっは、御目が高い。我が家で代々守り育てている、由緒正しい天魂たちですよ」恰幅のいいガタイを揺らして笑っている。

シュンカ はあ……。まあ何と言うか、豪勢なことだ。

天魂を愛でるガルナス・ダガン属(イメージ)


GM で、かつてこの海域であったという、海戦の思い出話などが延々と続くのだが。レアがシュンカをせっつく。
「さあ、早く本題に入ってくださいよ」

シュンカ 「ええと、レンガ島に行きたいのだが」

ゴラス/GM 「なに? そこはガルナス帝国直轄領であって、私が代理で統治している以上、そう簡単に立ち入らせるわけにはいかん」

シュンカ 「いや、だからこそ貴公に許可をいただきたく、こうして参上したのだ」

ゴラス/GM 「成程。まあ、レア殿の祖父には世話になったからのう。しかし、それとこれとは……」

シュンカ 「いや、レア殿の祖父の遺品が、その島に眠っているらしいのだ」

ゴラス/GM 「ホウ! すると、あの戦いの遺品が、まだあの島にあるというのか!」

クイナ 超、ウソついてるよね……。

GM めちゃくちゃウソだよな。

シュンカ 「そう、そして我々はその護衛として雇われたのだ。レア殿の祖父は、既に亡くなられている。レア殿は、どうしても、どうしても、祖父を偲ぶ品を入手したいと……くっ!(ウソ泣き)」

ゴラス/GM 「おうおう、そうであったか」と涙ぐむ。「そういうことならば、考えねばならぬのう」

シュンカ クイナ、ここで龍魂術を。術をかけたのがバレたらヤバイから、気をつけるのだぞ。

クイナ よし、「感情投射」で、ゴラス領主をもっと悲しい気分にさせよう。……12.

ゴラス/GM (コロコロ)ハハハ。こっちは6ゾロが出ちゃった。

シュンカ・クイナ なにぃいイイイイ!!

ゴラス/GM ゴラスは、ガッ! と椅子を蹴って立ち上がり、クイナの肩を鋭い爪で掴む。
「そこな山場クイナとか申す者! 貴公はいま、ワシに龍魂のかどわかしの術をかけおったな!? 衛兵! この者を、営倉に閉じ込めよ!」

クイナ な、なんだあああああ。

レア/GM 「な、何をやっているんですか!?」
 クイナは、衛兵ふたりに抱えられて連行され、牢屋に閉じ込められた。ガシャーン! 扉が閉じました。

クイナ 「後はたのんだ」

ゴラス/GM 「……コレは一体、どういうことですかな? 綺羅シュンカ殿?」ちょっと怒っているようだ。交渉判定だね。

シュンカ 「いえ、彼女なりに気をつかったのだと思います。ラゴス殿にとって、レア殿の祖父の思い出話は、非常に悲しいお話かと。その感情を少しでも拭うべく、クイナは、龍魂術によって、貴公の御気分をよくしようとしたのかと存じます」

GM じゃ、判定値+1で交渉判定していいよ(よくまあそんな出任せを)。


 シュンカは交渉判定に成功した。なんとか、ゴラスに納得してもらったようである。


ゴラス/GM 「成程、そういうことであったか。少々、クイナ殿にはかわいそうなことをしたな。おい衛兵、出してやれ」しばらくして、クイナは営倉から出された。

シュンカ 「クイナ。余計なことをしてはならんぞ(笑顔)」

GM シュンカが唆したくせに(笑)。「どうよ、この指揮官!?」レアがあきれている。

ゴラス/GM 「……あの戦いから、40年が経つ。未だに遺品が遺されているというのでは、我が戦友も浮かばれまい。分かった、貴殿らの船に限り、領海の通行を許可しよう」

シュンカ おお、ありがたい。

ゴラス/GM 「ただ、数日中に、ファーグニル艦隊がなにやら演習を行うようだから、注意されたい。奴ら、こちらの領海など、しょっちゅう無視するものでな」

シュンカ 「なに、そのような不貞なやから、我らアラガミ師の敵ではない!」

ゴラス/GM 「頼もしいな。やはり共榮圏の未来を導くのは、おぬしたち若きアラガミ師であってほしいものだ」

シュンカ 「そのためには、おぬしたちダガンの協力があってこそだ」

ゴラス/GM 「うむっ」彼は深く頷き、玉座に戻った。
「や、今宵は、久方ぶりに、若き戦士との語らい、楽しませていただき申した。よろしければこちらで宿をお貸しするが、どうかな?」

レア/GM 「あっ、そうして頂けると嬉しいですネ。お腹いっぱいで動けないし」レアは一人で鱈腹食べたようで、彼の周りには空になった皿が積み上げられている。

クイナ 虫以外の物も食べるんだね。

GM では、ゴラスが豪華な寝室を用意してくれる。アカマツの御殿が民宿だとすれば、こちらは豪華ホテルといえるほどの広さだ。
 屋敷のあちこちに灯明が光っているのが見える。そして、何重にもなった尖塔の、4階に君らの寝室が用意された。綺麗な飾り窓がある寝室だ。トモガミはちゃんと厩舎にいるから。

シュンカ 一時はどうなるかと思った。クイナ、危ないところだったな。

クイナ そっちが危険な指示を出すから悪いんだよね。

GM ヤバイと思ったら自分の判断でやめようぜ?

クイナ イケると思ったんだよね。

GM ゴラスは年経た強い竜撃士だからね。さて、などと話していると、ガルナス帝国での夜は更けていく。では、次の日の朝ということで。


 翌日、朝餉の時間。シュンカは、まだムシオニ「ミツリュウカダンヒトデ」が欲しかったらしく(笑)、朝食をとりながら、ゴラス領主に、ミツリュウカダンヒトデを供与してもらえないかと切り出す。

 偶然にも、ゴラスはかつてギョクガセ属と交易をしていたことがあり、すぐに手配できるという。大幅に値引きしてくれとシュンカがいうので、GMは、交渉判定をさせた。


ゴラス/GM こちらは合計で11を出した。

シュンカ 15、2レベル成功だ!

ゴラス/GM 「分かり申した。ならば、カダンヒトデを一頭もっていくがよい。ただ、いささか気が荒いので注意するのだぞ。人間が吸い付かれると木乃伊になってしまうからな」

シュンカ 「う、うむ、大丈夫かな……」

GM うまくムシオニを扱えたかどうか、体力で判定ね♪ 難易度10.

シュンカ なんでそんな判定をやらせるんだー! ……あ、上手くいったわ。

GM うむ。巨大な一抱えほどもあるヒトデ状の生物を、君は抱える。そいつは嘴のようなものを突き出して、うじゅらうじゅらと暴れるが、なんとか吸い付かれずに、上手く運べたようだ(笑)。

クイナ ちょっとそれ、レア殿に吸い付かせてみてよ(笑)。

GM おいおい(笑)。シュンカは、ムシオニを厩舎で「戦火」に装備させるわけだが、キズナ判定をしてね。恐竜のほうは嫌がるから。最初は痛いからね。身をよじって嫌がっている。

シュンカ 「耐えるんだ、戦火! これでお前も強くなる!」……あっ、失敗した。

GM 君はヒメテイリュウの尻尾で張り倒された(笑)。まあなんとか、その後、装備させたことにしよう。

シュンカ 「これでファーグニル、恐れるに足らず!」値段は……さっき9割値引きしてもらって、それでも20万リンか。高いなあ。

クイナ まあこっちは1000万リン持ってるけどね(笑)。

シュンカ くそー、上級ツカサ生まれめ。

GM いったいどういう事情なんだ、上級貴族生まれで特殊部隊入りするなんて(笑)。

クイナ ミステリアスだよね。

レア/GM 「では皆さん、出発しましょう! 目的の島は、ここから船で三日ほどですよ!」

第7話 第2章 おわり


つづく


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