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原因と結果~地球温暖化対策は誰のため?

先のnoteでも書いたが「エネルギーをめぐる旅――文明の歴史と私たちの未来」という書籍を読んた。


この書籍はエネルギーに関する様々な素晴らしい内容が盛り込まれた名著だと思うが、その中で、地球環境問題対策についての一考察がある。

結局のところ、地球環境を守る運動とは、私たち人類をはじめとする現生生物が生存できる現環境を守る運動です。そうすることで私たち人類の生存に必要となる現在の生物多様性を守り、人類の未来を切り開いていこうとする運動です。地球が危ないとかシロクマが可哀そうといった話ではなく、すべては「自分たち可愛さ」からくる運動なのです。このことは素直に認識すべきですし、その方が健全で、より問題に向きやすいはずです。自ら蒔いた問題の種を自ら解決しなければ、その災いは自らに降り注ぐ。因果応報、ただそれだけのことなのです。(同書P298)

「原因と結果の法則」

この世界は「法則」が支配している世界だ。人間が作った法則ではなく、科学や数学のように絶対的な理(ことわり)で、不変のものだ。

その法則の一つに、「原因と結果の法則」というものがある。因果律ともいう。


「すべてのことには原因があって、結果がある」ということ。
言われてみると、当たり前のことだが、「あらゆることには、その結果をもたらした原因がその前に存在する」ということで、
すべての事象はそれが「結果」として現れる前に、その「原因」がある、ということである。

地球温暖化の「原因と結果」

地球温暖化問題についていうと、地球温暖化により、世界各地で観測史上最高気温の猛暑の記録を更新し、さらに台風の頻発など異常気象が当たり前になっている。海面上昇で住む地を奪われていく人々もある。地球人類が苦しんでいるのである。このままだと今後さらにその苦しみは加速度的に増加することが予想されている。

地球温暖化の事象を見たときに、「地球を救え」という人もいるが、そうではない、ということ。
地球誕生から現在に至る何十億年の歴史を見たときに、地球の表面の温度や大気など、もっと灼熱の時もあったし、酸素もなかった時もある。なので、地球にとってみれば、地球温暖化問題など地球にとって痛くもかゆくもないのだ。

私たちは紛れもなく地球に生かされ、育まれている。
それは当たり前ではない。
空気があり、重力があり、水があり、食物がある。数え上げればきりがないほどのものが無償で与えられている。それらすべて地球の恩恵だ。
地球には万物を生かそうとする意思があるのだと思わざるをえない。

その万物を育もうという地球の意思に反して、人類は「カネ、カネ、カネ」の欲望資本主義、行き過ぎた資本主義システムを作り上げ、表面的な繁栄を謳歌し、それが原因となって地球環境を傷つけているのだ。

「原因と結果」ということで考えた時に、地球温暖化という「結果」は、あきらかに、地球人類のあくなき欲望資本主義が「原因」となっているのである。

そしてその結果、人類自身が苦しみはじめているのだ。地球が苦しんでいるのではない。人類が苦しんでいるのだ。
「自ら蒔いた問題の種を自ら解決しなければ、その災いは自らに降り注ぐ。因果応報、ただそれだけのことなのです」と本書でいう通りである。


宇宙からみた地球

地球にとって地球温暖化は痛くもかゆくもない。
地球は人類が住みやすいように環境を与えてくれている。
その与えられた環境を、人類自らが破壊しつつあるということ。人類が自ら蒔いた種が原因となって、その結果、地球環境悪化となって、自分たち人類に降りかかり、人類が苦しむだけのことなのた。

「原因と結果の法則」から遡って考える

原因結果の法則は、「結果」の現象面だけを見るのではなく、「原因」までつきとめて考えよ、ということを示唆するものだ。

「結果」の現象を改善したければ、その「原因」をつきとめて原因を除去する必要があるということだ。

つまり、悪しき結果を改善し、良き結果を導くには、悪しき原因を取り除かなければいけない。

「地球温暖化」という悪しき結果は、行き過ぎた欲望資本主義という悪しき原因を取り除かなければ改善されないのだ。

原因結果の法則は連鎖する。つまり、原因が結果となって現れ、さらにその結果が原因となって、さらに次なる結果が導き出される。
ある結果だけをみるだけでなく、その原因、さらにその原因と遡って考える必要があるということだ。

「地球温暖化」という悪しき結果は、「行き過ぎた欲望資本主義」ということが原因となっているが、ではその「行き過ぎた資本主義」はそもそも何が原因となって、そのような結果となっているのであろうか。

そこまで突き詰めて考えなければ、地球温暖化問題は解決しないのであろう。そのことも別途考察してみたい。

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