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初めてひとりで素泊まり自炊宿に泊まった時のこと/鳴子温泉に取り憑かれてしまった❣️

4.5年前の今頃のことだった。まだみけ子がホテルの客室清掃の仕事でアタフタと働いていた頃の事だ。月に20日程度のシフト勤務と、週一で続けている事務系のパート、合間にシェアハウスの清掃管理もやっていて毎日が結構忙しい日々だったと思う。一つひとつの勤務時間は短かいものの、ちゃんと休みらしい休みが取れない毎日だった。

最初に入った温泉。少し濁りのある硫黄のかおりのするお湯です。

そんなパタパタと落ち着かない日々を過ごしていたある時、11月の自分の誕生日がポッカリと予定が空いているのに気づいた。

みけ子の家では誰かが誕生日だからと言って特別な事はほとんどしない。本人に希望を聞いてケーキ等を買って来る程度だ。自分の場合は「その時に欲しいものであまり高価でないもの」を自分で選んで買ってお終いにする(笑)

自分の誕生日。自分にプレゼント。何が欲しい…?

モノが欲しいんではないなぁ。日常を離れゆっくりすること?温泉?どこの?平日で1日だけの休みだし宿泊するにしても一泊だけ。車がある訳でもない。お財布にも優しくて温泉を十分に楽しめる所は?そうだ、県北の鳴子温泉なんてどうかな?

湯の花がいっぱい。白濁硫黄泉です。

そう思い立ったら「ひとりで素泊まり自炊の宿でまったり」と言うこれまでやった事のない過ごし方が何とも魅力的に思え、実行するしかないじゃない?!と早速宿を検索した。

そこで検索してヒットしたのが鳴子温泉の「姥の湯」(うばのゆ)という宿。源泉が複数あり、それぞれお湯の種類が異なるそうだ。その上、古い歴史があって昔ながらの木造の自炊宿泊棟が残っているんだと言う。いや〜これはもうみけ子の好みのど真ん中じゃないの〜💖

ここも同じ宿の泉質が違う温泉です。

休みの前日は普段通りの勤務だった。その仕事を2時半過ぎまでに上がり、駅前から出発する3時発の直通のバスに飛び乗れば……終点は鳴子温泉❣️夕方には温泉宿に到着できるよぉ💖 その小さな一人旅計画に、久々に心が浮き立つような気分だった。

出発する前日の夜は、着替えやら洗面道具やら温泉自炊宿宿泊用具一式を一通り準備した。そして職場にはその荷物を持って出勤した。同じフロアでチームを組んだ同僚には「今日は3時にどうしても外せない用事があって、大急ぎで仕事するのでよろしくね」とだけ話しておいた。

出発に間に合う時間に仕事は無事に終わり、駅前から出発するバスに乗り込む。高速を使って2時間半程度のバス旅。日暮れの早い11月、鳴子に到着した時はすでに周囲は真っ暗だった。途中の食料品店ではちょっとしたお惣菜も購入した。バッグの中にはすでにワインの瓶も入っている。到着後に宿で過ごす様子を思い浮かべて自然と表情がゆるむ。まだ雪が降る前で、道すがらは落ち葉のいい匂いがした。

脱衣所にて。床の模様もレトロです。

宿に到着後、荷物を置いてすぐに温泉に向かう。適度に古びた浴室で、扉を開けるとふわぁ〜っと芳しい硫黄のにおいがする。暗めの照明に照らし出された湯船。やや熱めの少し赤っぽい色のお湯。お湯が湯船に注がれる音。掛け湯をしてゆっくりお湯に身を浸す。桶を置く音が浴室に反響する。温泉のお湯の温かさと湯の香りに包まれる。目をつぶってお湯を五感で感じる。なんという幸福感。自分が求めていたのは、こんな温泉だったのよ。うれしいなぁ❗️来てよかったわぁ‼️

その後に何度も泉質の違うお湯に浸かり、十分にお湯を堪能して持ち込んだおつまみで手酌のワインを楽しみ、静かに風情豊かに自炊温泉宿の夜は更けてゆく……と思っていたが、そうは問屋が卸さなかった❗️

当然、源泉掛け流しです♬

古い作りの、隣の部屋との防音もほとんど無きに等しいその部屋には、隣の部屋から大音量のTVの音が〜(T . T) 

*元々はTVは置いていない部屋なんだけど、有料で借りられるようだ。隣は耳の遠いお婆さんだったみたい^^;

風情も何もあったもんじゃなかったけど、まぁそれもまた庶民的な温泉自炊宿の一興として、記念すべき一人自炊温泉宿初体験だったみけ子の記憶に刻まれたのであった💦

次の日も早朝からアウトの時間ギリギリまで何度も温泉に浸かった。全身からお湯の香りが漂ってくるくらい、十分にお湯を堪能した。とても印象的で心豊かに過ごした、ひとりでの初めての一泊素泊まり温泉旅だった。

食べ物は全て持ち込みです♬

この時の楽しさが病みつきになり、この後何度も一人でまたは夫婦で鳴子温泉に通っている。出来るだけ豪華とは無縁のひなびた宿で、でもお湯だけは飛びっきり良い宿を選んで訪ねている。

温泉が日本のレジャーの主流だった時はもうすでに遠い過去になってしまった。ここを訪れる湯治客も減る一方だ。だけどこの温泉という、日本が世界に誇れる文化の火は消してはいけないと思うのだ。だから自分一人でも、機会をみつけては温泉を楽しむ。ささやかな応援の気持ちだ。


温泉文化よ、永遠なれ〜♨️




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