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骨董じゃないうつわを買ったの、何年ぶりだろう?

工芸品が好きで、美術館巡りや作陶している作家さんの工房に直接伺ったりを以前よくやっていた。

しかし、今は主に骨董市や古道具屋さんに行く事の方が多い。現代の工芸品を扱うお店も見には行くが、目で楽しんでお終い。自分は雑多でホコリを被った品物の中から、古くて面白いものを探し出すのが好きなのだ。そんな中から古いうつわや工芸品を発見して日常使いするのが楽しい。

染付の伊万里 広東碗

白地に藍色の紋様を描いた伊万里は、形や大きさ、そしてデザインとしても洗練されていて使いやすく使い勝手も文句なしだ。自分はそれらを使って満足だったし、今は現代の陶芸作品にそれ程興味が持てなかった。家には山ほどのうつわがあるので、それ以上の物を増やすつもりもなかった。

だけど、割合最近になって知った地元の陶芸作家さんの作品が気になって仕方がなかった。それがこの方↓

小鯖さんは、仙台の大学を卒業後、作陶の修行をし、最近注目の若手作家さんらしい。小鯖さんのことは昨年まで全く存じ上げなかった。

昨年の秋頃だったか、(みけ子お馴染みの)フジサキデパートの美術工芸サロンでの小鯖さんの展示会を見に行く機会があった。造形がしっかりしていて揺るぎないけど軽やか。ユニークなカタチの物もある。表面に絵付けはなく、釉薬の色と質感にニュアンスがあり思わず手に取ってみたくなる作品なのだ。

フジサキに会期中に2回、その後で他の方の多数の作品と共に展示されている作品も見に行ったことがある。見るたびに何だか妙に気持ちが惹かれた。

そして先日、通勤時に時々通りかかる画廊で彼女の個展が開催中だった。画廊の前に自転車を停めて短時間だけ展示を見せていただいた。会期中にまた来る事にして、その時は職場に向かった。

最終日の撤収2時間前に、その画廊を再度訪ねた。来訪者も多く、展示されている品物のかなりの数が売れていたのでは?と思われた。その中から花瓶と湯呑みのようなぽってりしたフォルムのうつわを選んで買う事にした。

庭にあったシランの枯れた花茎を挿したら
それだけでぴたりと決まった

そう、私はシェアハウスのリビングにこの花瓶を置いてみたかったの。本当にピッタリとこの場所に当てはまった。想像以上にステキ💓

そして湯呑みというか、持ち手のないカップ。温かい飲み物を入れて両手で包んで、その手触りを楽しみたい。

先日作ったばかりのキノコ柄の
コースターに乗せてみた

以前、フジサキでの作品展会場で少しだけお話した時にうかがった話。小鯖さんは最初は建築や立体造形にも興味を持っていて、進学する時に美術系にするか建築系にするか迷われたんだそう。結局陶芸の道に進み現在に至ったのだという。なんとなく頷ける。

生活する空間そのものに最初は興味が向いていて、その想いが創作の基礎になっている感じがする。その土台があってその上に、手に取った時に心地良さを感じる使い手の良い暮らしの道具を造る。だから日々暮らす場所にしっくり馴染み、使われるその場所でさり気ない存在感を放つ美しいうつわを作れるのではないか、と想像した。

小鯖さんには差し出がましくも、個展でお話出来た時にこんな事を言ってしまった。「もし良かったら次は☆☆を作ってみてもらえませんか?」と。そうしたら、他の方からも同じ提案を受けたのだそうだ。☆☆が何かはここではヒミツ(笑)

今後生み出される、小鯖さんの陶芸作品に注目です。



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