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年賀状 書く?書かない? その2

そうだった、みけ子は20代後半で家庭を持った後に、ちゃんと年賀状を作って出し始めたんだった。

毎年の年賀状はきれいに出来たものを選んで、一部はスクラップブックに貼り付けて保存してある。

途中、子育てでてんてこ舞いとか、介護生活でもっとてんてこ舞いとかがあったので、ちょっと省略とかはあったけど。そんなことをしてる間に、世間一般では年賀状というものに重きを置かない世の中に変わってしまったね。

これは年賀状ではなかったかも。夢二です。

その手作りの年賀状、今見返しても悪くないと思う。ある時、どなたかから頂いたお菓子の箱が木製だった。その箱の蓋の木の板が何だか「版画にするのにちょうど良いな」と思ったんだよね、作った事もないのに。

版画展をやった時のことを書いたのがこれです↓

で、小学生の頃の版画制作を思い出し、図書館の本で作り方を調べて、文具店で彫刻刀を買い、年賀状版画を作ってみた。それがこれ。

ほぼ初めての自己流だったけどまずまずの出来、かな?

オリジナルは夢二の絵だったかと思う。凝ったデザインでもないし色も墨とあと2色程度。その頃年賀状を出す相手は友だち何人かと親戚関係くらいだから、多分刷った枚数も50枚程度?かな?

その年の年賀状作りが楽しかったので、次の年も続けた。2年目は画材屋に版木とハガキ用紙を買いに行った。図案を考えて、版木に写して彫って刷る。そんな作業も楽しくて3年目。その時は街なかのカルチャースクールの年賀状版画講座に数回通って作った。教室に通っただけあって少し手の込んだ多色刷りの版画が仕上がった。

元絵は夢二の装丁の「春」という童話集の表紙絵だったかと思う。この時のカルチャースクールでは、木版画を刷る時に使う「バレン」から作り方を習った。なんでもその時の版画の先生の教えでは「バレンの良し悪しで版画の刷り上がりが決まる」からなんだそうだ。

バレンってこれです↑買っても大した値段ではないのね。

バレンを手作りし、そのカルチャースクールで紹介された、ちょっと高い彫刻刀も買った。みけ子はその時までは、文具屋で買った小学生用の彫刻刀しか持ってなかったから。

ネズミ年の年賀状。このモデルの招き猫は今はシェアハウスに飾ってあります。

色の数と同じだけ版をつくって重ねる。色がずれたり滲んだりすると失敗で、その失敗は「ヤレ」と言う。その「ヤレ」は刷っていると2〜3割の割合で出来ちゃうのね。だから版画を刷る時は紙を3割程度多く用意しておかないといけないの。

そして全身の力を込めて版をする。木版画の刷りの作業は体力勝負なのよ〜💦

そしてこの版画の背景、右上あたりを見ていただくと、キラキラしているのわかりますか?これ雲母刷り(キラずり)なんです。キラキラした雲母を背景部分に貼り付けました。こんな凝ったことをしてたんですね〜。今は頼まれてもこんなことしませんねぇ。

毎年年賀状を考えるのが楽しかったです。もう遠い昔のことで、彫刻刀も散逸しちゃったし、版木もほぼ処分しちゃった。あの時十分作ったからもう多分木版画はやりません。

処分したのもあるけど、これだけの作品が残ってればもう十分です。版画年賀状を作り始めた時は「年賀状を出すか出さないか?」を考える世の中になるなんて全然想像もしていなかったわ〜。





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