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ワイン瓶はなぜ750mlなのか

船の大きさをあらわす単位/トンですが、空の木樽を叩いた音「Tun」から来たといわれています。つまり100の木樽を載せることが出来る船は100TON積みの船。1000なら1000TON積みという感じですね。
始まりは英国です。
英国は、ワインの自国生産が出来ないので、ボルドーからの輸入に頼っていました。

なぜ「ボルドー」か?というと・・時おり話していますね。ボルドーは一時期英国領だったからです。原因はフランス国王ルイ七世の夫人/淫婦アリエノール・デキテーヌが強引に王と離婚し、11歳年下のアンジュー伯・ノルマンディー公アンリと結婚してしまったからです。ところが結婚後アンリは、すぐさま英国王アンリ/ヘンリー2世になる。・・どうもきな臭い話ですねえ。

アリエノールは、フランス国王夫人であると同時に、ボルドーを中心とするアキテーヌ公国の女領主でした。そしてノルマン人の末裔アンリはノルマンディーの領主だった。その二人が、アレよアレよという間に英国国王と夫人になり、同地はそっくりそのまま英国のものになってしまったんですからねぇ。・・びっくりしたのはフランス国王ルイ七世です。突然自国の1/3が霧散したわけです。怒り狂ったルイ七世は戦争を起こします。こうしてフランスと英国の長い長い近親憎悪の争いが始まっていきます。

というわけで、ボルドーは英国領でした。ボルドーで作られたワインは、フランス国内で売られるのではなく、英国に運ばれて同地から売られていたのです。この伝統は原則今でも根深く残っています。

当時、ワインは大きな木製のボルドー樽で運ばれていました。利用されていたボルドー大樽は252 ガロン(40.3 立方フィート)重量2240 ポンド(1016 キログラム)が標準でした。これが1TONです。これをベースに、海上運賃計算の基準1Measure Ton=40CFT, 1Weight Ton=1LongTon=2240lbsは作られています。

ちなみにワインを入れる瓶が750mlなのは、1ガロンの1/5だからです。なぜ750mlという半端な数字になっているか・・理由はこれです。つまり2ガロンでワイン瓶10本。大樽一つで換算すると1260本。貿易のとき、半端な数字が出て経理処理が煩雑にならないように考えられているのです。

無くてもいいような話ばかりなんですが・・知ってると少しはタメになるようなことを綴ってみました