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水樹奈々さんのライブで痛感した、ライブを最高に楽しむカギ

ライブに参加していると、ごくごく稀に脳天から全身を貫かれるような感動を覚える瞬間があります。

アーティストのパフォーマンスや人柄、ステージ演出なども間違いなくそれを生み出す大きな要素ですが、僕の経験上それが全てではありません。

もっと多くの要素が偶然にも重なった瞬間、その感動は起こります。

僕はかれこれ15年半、アニソンファンとして様々なライブに参加してきました。感動を覚える瞬間は多々ありましたが、脳天から貫かれるような感動は数回しか経験したことがありません。

しかもその感動は、悲しいことにライブ参加経験を積めば積むほど起きにくくなります。良くも悪くもライブに慣れてしまい、感情的ではなく冷静にステージを観るようになってしまうからです。

しかし、2023年1月21日に参加した水樹奈々さんのライブ『NANA MIZUKI LIVE HEROES 2023』の9曲目。『PRIDE OF GLORY』という楽曲で、久しぶりにその感動は生まれました。

水樹奈々さんは、僕がアニソンファンになるきっかけになった人。15年半ずっと最高のモチベーションで活動を観てきました。故に、僕の中では最もその感動を生み出しにくい状態にある人でした。にもかかわらず、その感動が味わえたのです。

今回はこの体験についてお話したうえで、「ライブを最高に楽しむカギとは何か」というところまで踏み込んで僕の見解を述べたいと思います。


今までの『PRIDE OF GLORY』

この楽曲は、2009年1月21日にリリースされた楽曲で、初の紅白歌合戦出場時に披露された『深愛』という楽曲のカップリングとして収録されています。

発売からちょうど14年も経っている楽曲ですが、僕は14年間この楽曲を繰り返し聴き続けてきました。楽曲のテンポと力強い歌声が心地よく、聴くと何度でも僕の気分を晴らしてくれました。僕が初めて参加したライブで初パフォーマンスされた楽曲でもあり、とても愛着のある楽曲です。

長年愛し続けた楽曲でしたが、このライブに参加するまで当時の僕の好きレベルはその程度でした。

「脳天から貫かれる感動」に必要な要素

脳天から貫かれる感動は、冒頭でも述べた通りアーティスト側からアウトプットされる要素だけでは生まれません。

最も重要なのが、自分の境遇とリンクすることです。

自分が抱えている悩みや葛藤、これらを解消する筋道を歌詞やパフォーマンス、演出を通して感じ取れたとき、この感動は生まれます。

思い返せば、ライブに参加した時の僕はまさにこの状況でした。

30歳を超えてやっと人生の目標ができ、それに向けて全ての力を投下したい。でも家庭や仕事の都合をふまえると、どうしてもそれができない。

可能な限り時間を確保して努力は続けているが、このペースで本当に目標が達成できるのか。あるいは本業と関係ないことに時間を割きすぎて、本業でも役立たずな人間になってしまうのではないか。

そんな悩みや葛藤を抱えている最中でした。

ビルが建ち並ぶステージセット。
ヒーロー登場のシグナルを彷彿とさせるようなイントロ。
ビル上に並び立つダンサー達。
ステージを広く使った一体感のあるパフォーマンス。
踊りながらでも全くブレないパワフルな歌声。
「HEROES」というテーマ設定。
そして何より、今この瞬間の僕のために作られたかのような歌詞。

貫け君のJustice soul 勇気を焦がして
例え涙しても それは負けじゃないから
天辺に聳え立つ 何かの為なら
ポケットのその右手 上に突き出そう
私も側にいるから

【引用元】「PRIDE OF GLORY」/水樹奈々、作詞:HIBIKI、「深愛」(2009)

あらゆる要素が掛け算され、これ以上ないほどの威力で、悩みや葛藤を抱えた僕に、「いいからやれ!!!」という明確な回答を叩きつけてきました。

この楽曲のリリース、ライブのテーマ設定、演出、振り付け、全てが今この瞬間の僕のために作られたものなのではないか。勿論にそんなわけはないのですが、今でもそう思ってしまいます。

一見するとありきたりな歌詞に思えるかもしれません。しかし、僕の目から見るとそうではありません。

目の前で繰り広げられている凄まじくハイレベルなパフォーマンスと、そこから滲み出ている途方もない努力の蓄積。

メッセージ自体がどれだけありふれたものだったとしても、彼女が歌うからこそ、僕にとってはこれ以上ない程の説得力を帯びていました。

LIVE HEROESを経て、この楽曲は「何だか元気をもらえる曲」から「僕の背中を強烈に蹴飛ばしてくれる曲」に変わったのです。

ライブを最高に楽しむカギ

この感動は冒頭で偶然生まれると言いましたが、厳密にいえばファン側の準備も整っていないと、万に一つも生まれません。

社会で成功されている方はよく「自分は運が良かった」ということを仰りますが、こういう方はたいていの場合、ただ単純に幸運だったから成功できたわけではありません。チャンスを見逃さないための準備ができていたから、そのチャンスを掴めたのだと、僕は捉えています。

チャンスを逃さないための準備とは、言い換えればもがくこと。何か耐え難い現実や達成したい目標があり、その実現を諦めず、手がかりを猛烈に求めて、探し回っている。この状態だからこそ、チャンスをチャンスだと認識できる。

ライブも同じです。ただアーティスト側が猛烈に努力し、どれだけ素晴らしいパフォーマンスをしたとしても、ファン側がただ無心で眺めているだけでは、「なんか凄いね!!」程度で留まってしまう。

しかし、ファン側が「何か糧にしてやろう」という貪欲な姿勢でライブに望めば、きっとライブはただの娯楽ではなく、学びや気付きを得られるチャンスになります。

ただただ音楽を聴いて盛り上がるのも、もちろん素晴らしいことです。それだけでも十分に楽しいし、お金を払う価値がある。

でももう一歩踏み込んでライブを楽しむためには、学びや気付きの先にある充実感が必要。

以上のことから、ライブを最高に楽しむカギとは、ファン自身が己の理想の実現に向けてもがくことだと、僕は信じています。

さいごに

僕は今回に限らず、何度も水樹奈々さんに救われてきました。

失敗続きの人生ですが、失敗するたびに水樹奈々さんの『chronicle of sky』という曲の歌詞が、僕を立ち上がらせてくれました。

いくつもの日々を乗り越え そこにある自分が
笑顔で居られるなら 間違いじゃない

【引用元】「chronicle of sky」/水樹奈々、作詞:志倉千代丸、「GREAT ACTIVITY」(2007)

そしてまたしても、水樹奈々さんに恩が増えてしまいました。

僕が生涯を通してやりたいことは、『アニソンアーティストへの恩返し』なのですが、こと水樹奈々さんに関しては、既に返しきれないほどの恩を受けております。

いつか自分が納得いくような恩返しができるのかわかりませんが、より一層もがいていこうと思っています。


また、僕は恩返しの手段として『強いファン集団を作ること』を目指しています。

強いファンとは、簡単言えば『深く楽しみ、社会にプラスを生み出すファン』です。

まだ一人で取り組んでいる段階ですが、今後どうしても仲間が必要です。もし本記事に共感してくださったり、僕の考えに賛同いただける方がいましたら、是非noteやSNSのフォロー、いいねや感想のコメント等いただけますと幸いです。

【note】

【Twitter】
@Mike_OshiSup


また、『強いファン』については、以前投稿した記事や拙著(Kindle本)で、別の言葉を使って詳しく説明しています。よろしければこちらもお読みください。

拙い文章ではありましたが、最後までお付き合いいただきありがとうございました。


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