見出し画像

ホテル

「会いたかった」

てるあなたの姿 
痛いほどに冷えた黒い躰

少しずつあたためる
脊髄から赤く続く一本の線と

紅深くれぶかく染まる小さな海の中で
少しずつ火照ほてるあなたを見て

私は咽をならす

あなたの顔は知らない
このまま知らなくてもいいの

「もう離れないでね」



この記事が参加している募集

私の作品紹介

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?