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私と祖父とクレッセントハウス

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「古き良き時代」の面影を、現代までそのままに残したクレッセントハウス。2020年、ついにその歴史が幕を閉じます。様々な想いを胸に、作家として大きな影響を受けたこの場所についてを、… もっと読む
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#フランス料理

「鹿鳴館の夜」昭和から平成へ。 案内と食器、メニューで見るレストランクレッセントの歴史(12)(13)(14)

芝公園に63年間の歴史を刻んだレストランクレッセント が、静かにその幕をとじる。このnoteは、そのことをきっかけとして、創立者であった石黒孝次郎が、クレッセントハウス内で展開していた様々な事を、手元にあるわずかな資料をもとにまとめるようになりました。 本日、閉店の日。投稿しはじめた当初は、閉店のその時までに、これらの資料をまとめようと思って取り組み始めたもののなかなか追いつかず、すくなくとも、年内いっぱいはまだ建物も残っているということで、引き続きまとめて行きたいと思いま

「鹿鳴館の夜」 メニューで見るレストランクレッセントの歴史(10)(11)

レストランクレッセント閉店を知ってから、家にわずかに残された資料をまとめることが、不思議と私にとっての小さな使命感になっていました。それは、同じ様にクレッセントでの想い出を大切にされている方々にとっても、改めてこんな側面があったのかということを、なくなってしまう前に少しでも知っていただいてお楽しみいただける様な内容になれば、という思いからであると同時に、この昔の資料の中には、古く美しき時代を大切にしつつ、新しい時代へとそれをつなげていく…所々に見え隠れするそんな内容を、現代に

「鹿鳴館の夜」〜洋風御懐石の夕べ〜 案内と食器、メニューで見るレストランクレッセントの歴史(7)(8)(9)

秋深く、菊花も美しく咲き乱れるこの頃、皆様方には益々御清祥のことと御慶申し上げます。クレッセントハウスの年中行事「鹿鳴館の夜」も回を重ね、今年は第7回を迎えることとなりました。 近年フランスでは「ムニュ・デギュスタシオン」という調理形式が注目されております。これは日本料理の影響を多分に受け、合せて19世紀末の数多いメニューを現代人の嗜好に会うようにアレンジして少量づつ味わう、いわば、フランス風の懐石料理とも言えるものであります。 当館は昨年からこの晩餐会をより愉しくするた

「鹿鳴館の夜」〜コンサートディナーの夕べ〜 案内と食器、メニューで見るレストランクレッセントの歴史(6)

日一日と秋深まり、爽やかな紅葉の季節となりました。クレッセントハウスの年中行事「鹿鳴館の夜会」も回を重ねて、今年は6回目を迎える事となりました。昨年迄のメニューは、明治時代の宴席の献立を基調とし、現代の嗜好に叶った料理を味わっていただこうと心がけました。 又、この会では毎回、北村維章とそのトリオが演奏いたしますが、今回は、19世紀ヨーロッパで流行致しましたコンサートディナーの様式を取り入れ、曲目の選定に意を用いて、前回以上に音楽もお楽しみ頂ける様、配慮致しました。 何卒、

港区議会にて、クレッセントのことが紹介されました。

10月6日の港区議会決算委員会の総括質問の中で、石渡ゆきこ先生が、クレッセントについてと、石黒孝次郎夫妻のことまで触れてくださいました。 42;00辺りから、地域の文化的風景を記憶に残すという内容で、104;00辺りから、それに対して荒井雅昭港区長が触れられています。 https://gikai2.city.minato.tokyo.jp/g07_Video_View.asp?SrchID=2527 どんどん失われていく文化的風景、風情のある風景を、形はなくなっても、記