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のら猫から家族 夢を叶えた猫の思い出3

『抱きしめてほしい猫』

 

ワンの名前はリュウ。

ニャンはライチ。

仲良くなりたいとボクから近づく。

 
リュウはシッポを振って吠えまくる。

遊びモード全開の勢いが怖くて引いてしまう。

うかつに近づいたらケガしそう。

 

ライチはいつもガラス戸越しにボクを見てる。

古い外冷蔵庫の上から近づくと

すごい勢いで逃げてしまう。

 

仲良くなりたいんだけどなー

 

ある日、サヨさんが戸を開けた瞬間に

ボクは家の中に侵入した。

 

隣の部屋に入ろうとしたところで

サヨさんの大声に驚きすぐに引き返した。

 

ライチの姿はなかった。

 

翌日、いつも通りゴハンを食べていると

首筋にチクチクするものを押し当てられた。

ちょっと冷たいし変な臭いがするんだけど。

 

でも今日のゴハンはカリカリの上にトロッとした

美味しいものがかけてあるので気にしないことにした。

 

ボクは1日のほとんどをこの屋敷内で過ごす。

廃材置き場の座布団の上や

積み上げられたタイヤの上。

 

サヨさんや他の家族が近づくと

ボクは足元に行ってスリスリしたり

ゴロゴロ寝転がって手を伸ばしアピールする。

 

ある日、サヨさんが「抱っこしてほしいのかな」と

やっとボクの気持ちに気付いてくれた。

 

恐る恐るボクを両手で持ち上げジッとボクを見つめた。

「あら、大丈夫そう」と言って少しだけ移動して降ろされた。

 

少しずつ抱っこの練習?が始まった。

ノラネコのボクが嫌がると思っているようだ。

 

「ボクは暴れたり、引っかいたりしないよ」と

言ってみたけどサヨさんにはわからないよね…

 

これがほんとのサイレントニャーだね。

 

しっかり抱っこしてもらうには

もう少し時間が掛かりそう…




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