さあ、HSEの話をしよう 3 仮面の正体

私はいつも明るく社交的で、いろんなことに物怖じせず挑める人間だと、周りの人から思われています。

それらがすべて偽りだとは言わないけれど、それらが私のすべてでもありません。

人と関わることは好きだけれど、相手が何を考え、どう受け応えすればよいのかに神経を研ぎ澄ませているから、ひどく疲れる。だからひとりになる時間が必要。

わくわく、どきどきすること、真新しいことに興味津々だけれど、先が読めないから不安だらけで、背中に冷や汗をかいている。

ひとつの行動に対して、正反対の感情が常に背中合わせになっているのが、外向型HSPの私です。

背中合わせの負の方は人には悟られたくないから、落ち込んでいる姿も怯えている姿も隠してしまう。その結果、他人からはいつも笑っている度胸がある人間に映るのです。

このような世間一般に見せる自分の姿と見せない姿のギャップに私は長い間悩んできました。
これはいけないこと、間違っていることだと。

けれどある日、HSPだと知ってから、

二面性あるいは多面性を持つことは、悪いことではない

と気付いたのです。

いわゆる表向きの姿が偽物というのではなく、それもまた私の一面であり本当の姿だったのです。

人によって話し方や態度を変えるのも、相手が意図していることを察知してそれぞれに合った関係を築こうとするからであって、特定の人を差別しているとか、媚びへつらっているつもりなど、さらっさらない。

それを八方美人なんて揶揄されると、悲しくなるし、自分でもいけないことをしている気がして、後ろめたく感じたものですが、HSPの処世術なのだと知った今は、開き直っています。何より、誰とも同じように接するなんてできないのですから、仕方がありません。

もし同じような境遇を経験されている方がいらっしゃったら、どうぞ自分を卑下しないでください。

あなたが仮面と思っているものは、嘘でも偽りでもなく、

あなた自身であることに間違いはありません。


人一倍敏感で傷付きやすい心を守るために、あなたが表に出してもいいと選んだ一面なのです。
その一面があったおかげで、人に好かれ、難を逃れ、あらゆる状況で救われてきたことを、どうぞ忘れないでください。


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