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#3みかわやポッドキャスト 街角の女性 村上亜沙美さん(村上製本)

こんにちは~!
みかわやポッドキャストパーソナリティ、大学生のリサコです!

いよいよ正式にON AIRとなりましたみかわやポッドキャスト!(YEAH~!!)
みかわやポッドキャストは、静岡県浜松市中区尾張町の交差点の一角から、「今」の街の様子をお届けしていきます。

この番組では以下の3つのコーナーを配信していきます!!

1.大学生のリサコが、浜松市周辺でお仕事をされているキニナル女性にお話を伺う「街角の女性」
2.みかわや店長竹山と大学生リサコが、浜松市在住の外国人の方とおしゃべりしながら、浜松でどのような思いで活動しているのかを深堀りする「街角の外国人」
3.みかわやに来店されたお客様や、交差点で信号待ちをしている方々に、最近ハマっている「マイブーム」を3つ教えてもらう「街角のマイブーム」


どのコーナーも、1人の人と対面でじっくりお話をするものなので、私たちパーソナリティ自身、めちゃめちゃ楽しませていただきながら収録しています!


さて、今回は、初の「街角の女性」コーナーの収録 + みかわやポッドキャスト開設 & ON AIR !!!ということで、大学生パーソナリティのリサコが敬愛する女性、製本家の村上亜沙美さんにインタビューさせていただきました!

亜沙美さんとの出会い

亜沙美さんとの出会いは今年(2020年)の夏の始まりの頃。迫りくる就職活動の圧に違和感を抱くのと同時に、自分の将来やってみたいと思うことを学生のうちに試してみたいという考えがあった私は、大学を休学し、東京に出て色々な経験を積む予定を立てていました。しかし、新型コロナウイルスの蔓延によりその計画は取り消しに。結果、浜松にいながら未来のことやこれからの方向性について悩んだり、モヤモヤと考えていた時期があったのでした。

みかわやの製本所でお仕事されている亜沙美さんに出会ったのは、ちょうどそんなときでした。自分1人で本を1冊からつくる「製本」をされているという方に初めてお会いして、壊れてしまった本を大切に修復したり、世界に1つしかない本やノートをつくっている人がいることを知りました。それに加え、「本をつくる」という体験をより多くの人に味わってもらうために製本教室なども行う亜沙美さんの姿を見て大いに感化されるのと共に、私の大学生ならではの悩みに真摯に耳を傾けてくださり、アドバイスをくださる亜沙美さんをどんどん好きにならずにはいられなくなってしまったのでした。❤(笑)



前置きはここまでにして、今回このnoteでは、みかわやポッドキャスト「街角の女性」のインタビューで、製本家・村上亜沙美さんにお聞きした内容をまとめたものをシェアしていきます!


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(村上亜沙美さん:亜 リサコ:リ)

村上製本について

:製本って、どんなことをされているんですか?


:本のデザイン、製本、本の修復、機械じゃできない製本など、お客さんの要望に合わせて本を一冊から作ったりしています。

以前は自宅で本を作っていたけれど、今は、街の様子を見ながら、街の人との関わり合いを楽しみながら、製本・ブックデザインをしています。みかわやは人とのコミュニケーションがとりやすい環境が揃っているから、ここで製本所を営むことで製本やブックデザインについて、色んな人に知ってもらえるのは嬉しいです。


亜沙美さんが製本家になった経緯

:私は今、大学を休学して、興味のある分野でインターンをするなどしているのですが、どうしても色んなことに興味関心がありすぎて、大学卒業後、色んな選択肢の中から何を選びどう生きていこうか、迷ってしまうんです。

あさみさんは学生時代、ロンドン芸術大学でBook Arts and Designを専攻されて帰国後すぐブックデザイン関係のお仕事に就かれたようなのですが、ブックデザインや製本の道で生きていくと決めたのには、どういった背景や決断があったのですか?


:田舎育ちで同世代が少なかったので、本を読むことで新しい友達に会ったり、知らない世界に触れた気持ちになっていました。本が大好きだったため、自然と、本をつくる人になりたいと思っていました。
高校1年の夏休み前、学校の先生に、「本を作る人になりたい」と言ったら、美大に行くのは難しい、など、マイナスな反応をされ、それを受けてしょんぼりして帰ったのは、今でも覚えています。しかし、家に帰って「日本でできないなら、海外で学ぼう!」と思い立ちました。留学先のロンドン芸術大学では、たくさんの学びを得、卒業。帰国後、東京のブックデザインの会社で働きました。良いボスに巡り合い、ボスたちのもとで日本での本づくりを学びました。
この道で生きていく決断をした、という言葉はピンとこないけれど、高校1年生のとき、先生の反対を押し切って、自分の意思を信じて進んできた先に今が広がっている、と感じます。

私は、「その人から出る言葉」に興味があります。それが形になっているのが本なのかな、と思っています。「どんな言葉を発している人なのか」、ということと、「その言葉がどんな形(絵画や写真や本など)になるんだろう」ということに関心があります。


亜沙美さんがつくる「観察ノート」

:亜沙美さんがつくっている観察ノート。私自身、数か月前に購入させていただいて以来、色んなことをたくさん書き込んで、今となってはすごく大切なノートになっています。亜沙美さんがこのノートをつくるようになったきっかけと、つくる上でのこだわりを教えてください!


:1冊ずつ手で仕上げているのですが、ノートの中の本体の部分はミシン綴じ、そして表紙と、裏表紙は手で仕上げています。機械と自分の手仕事の融合でできているんです。

このノートを作ることになったきっかけについてお話しします。私は美術館や資料館に行くと文豪たちや画家たちのスケッチを見るのが好きで、ノートの使い古された様子を見ながら、彼らがどういうノートやスケッチをとっていたのか想像しながら眺めるのが大好きなんです。書きたいと思った瞬間に書き留めたようなノートにあこがれています。それらのノートは本や作品の種と言う事もできると思うし、瞬時に書き留めるという、その動作すらも好きです。だからこそ、そういうノートを作りたいと思いました。

生物学者であり、民俗学者であり、博物学者でもある「南方熊楠」という人がいるのですが、ある日その人の資料館に足を運びました。彼は研究などのためにたくさんのメモやスケッチをノートに残していました。その展示の中で目についたのが、「縦長のノート」。(今、亜沙美さんが作っている観察ノートのカタチに似ている)資料館は撮影禁止なので、ガラスケース越しにそのノートをスケッチしました。南方熊楠は、縦書きだったり、横書きだったり、メモやスケッチをしたり... その縦長のノートを自由自在に使っていて、とても魅力的だと感じたんですね。

そのノートの使われ方を見たのがきっかけで、そのノートに敬意を示して、観察ノートを作るようになりました。本棚に、使い古したノートがたくさん並んでいるのを見るのが好きです。なので、このノートを何冊も使ってくれたらうれしいな、なんて思っています。

真っ白いノートは、なんでも受け止めてくれるから、自由に書いてほしいです。その人から出るありのままの言葉を、ノートは受け止めてくれます。今の時代、SNSにすぐ色々書けちゃうけど、自分自身の言葉を一回ノートに書き出すのは良いことだと思います。一冊の本をつくるように、この観察ノートを作っています。(リサコ感動の涙を流す)


↓ 観察ノートは村上製本のHPから購入可能です!

お気に入りの柄を探すのがこれまた楽しいんです♪

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インタビューを終えて

今の亜沙美さんがあるのは、幼いときから、自分の「何かを好きだと思う気持ち」や「何かに興味があるという気持ち」に正直でいて、それらを指針にして、まっすぐ進んでこられているからなのかな、とインタビューをさせていただいて思いました。亜沙美さんは、色んなことに興味があるが故に将来の選択を難しく考えてしまっていた私に対して、「そのままでいいと思うよ。あまり先のことを決めすぎずに、たくさんの欲張りな気持ちを大切にして、突き進んでいってほしい」と声をかけてくださいました。その言葉にとても救われたのと同時に、亜沙美さんにインタビューさせていただいた今、ますますその言葉が私の中で響き渡っていて、糧と自信を与えてくれていると感じます。たくさんのインスピレーションを与えてくださる亜沙美さんに出会えたことに、本当に感謝しています。


こちらのインタビューが全編つまったポッドキャストはこちらから聞くことができますので、ぜひチェックしてみてください! 



村上亜沙美さんのInstagramアカウント


村上亜沙美さんのHPリンク


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( 写真 ・ 鈴木陽一郎)


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