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短編小説 過激派

 昔、とある老師がいた。老師は弟子を多く持ち数多の教えを広め世を泰平に導こうとした。ある日、弟子が二人で訪ねてくると朝食は何を食べるべきかと老師に問うた。老師が何事かと尋ねると朝食はご飯かパンかでケンカになったと弟子達は答えた。老師は身体に良い物を食べればそれで良いと、弟子達を叱った。

 老師の死後その教えを書にまとめようとする所、また二人の弟子がケンカになった。朝食はご飯かパンかで弟子たちは二分しそれぞれの書物が世に残った。

 ご飯派はパン派を嫌い、筆を取ってそれを伝えた。パン派は武器を取りご飯派をことごとく討ち果たすとご飯派の書物をトースターで焼いて食べた。

 ご飯派ますますパン派を憎み武器を取って応戦する。しかしパン派既に甚だ数多く「アサカラパンクウ!アサカラパンクウ!!」の鬨の声に怯み、武器を捨てるとご飯派は国の外へ逃れた。

 数多の屍の上にパン派ここに世を平たくする。そこへ1人の翁が現れパンには何を塗るべきか訪ねた。パン派はジャム、バター、ごはんですよとそれぞれ答えた。翁はどれが正しいのかとまた問うた。

パン派は武器を取り、また戦った。

Thank you for reading to the end. The support you receive will be used as an activity fee. 通訳「私利私欲のために使うお金が欲しいそうです。」