1行め:「故郷からの逃亡または流浪のはじまり」
「物書きになりたい」――
思春期の愚かな子供の心と脳髄を支配したその妄念。夢などではない。愚かな妄念そのもの。未来への展望もなく、何かを実現させるための能力も知力もないガキの思考思想を支配してしまった妄念。
「物書きになりたい」――
アニメを作ってみたかった。彼を狂気じみた高揚でときめかせていた、当時のTVや劇場、OVAのアニメーション作品。だが、これを書いている今と違いインターネットも情報も何もなく、どうすればアニメ業界に入れるのかもわからず。
漫画を描いてみたかった。