人材革命

「たくましく、うまく、よく」生きる

人材革命
AI時代の資本の原理と人間の原理
荒木弘文 著

サラリーマンのような「他人依存症人間」は不要になる

ウィキベテアより、著者のプロフィール
荒木 弘文(あらき ひろふみ、1930年 - )氏は、日本の経済学者。専門は経済史。経済学博士(東京大学)、筑波大学名誉教授。長野県穂高町(現安曇野市)出身。

経済学者という事で、なんとなく文章に堅苦しい雰囲気がありますが、「産業」資本主義=産業革命(1750年ごろ)以降の工業化=近代化の時代から、「ポスト」産業資本主義=IT革命時代への世界史的変動・転換の問題を「これまでの人材」「これからの人材」という風に切り分けて、違いを明確にされているのは、とても分かりやすく、目からウロコ的なところも多々あり、興味深く面白く読めました。

私自身、IT関係のことには苦手意識があって、専門知識のある人に任せた方がいいとなんとなく避けていたのですが、このままの意識ではいけないと目を開かせてもらい、本書でお勧めされていた336頁もわたる「IT全史」も購読し一気に読みました。

何といっても私がこれまで持っていなかった「新しい視点」をあたえてもらい目を開かせてもらったことに感謝です。

社会や国家の変動減少を、発生期、発展期、消滅期という3つの段階に分けて、現在は産業資本主義の上手な締めくくりを考える時期であるとしている。AI時代を「万人が情報を共有する時代」として、単なる技術革新としてではなく「社会システム」の変動として、人間優位の時代への通過点として「質の変化」を捉えることの重要性が説かれています。

「これまでの人材」は、さらなる発展(高度成長)をという一念しかない「進歩史観論者」であり、株式会社組織での利益追求の全盛期であり、産業資本主義人間「先見の明がない」保守派で、お上共同体意識という時代遅れのが現在の人心の腐敗を生み出している。

そして、「これからの人材」は、人間性優位に向けた機械による最後の通過点として、心=資本=AI機器という「心こそ資本だ」という価値を理解した革新派のポスト産業主義人間あり、サラリーマンなどの「他人依存症人間」は社会淘汰(ゴミ)にされてしまうため、未来音痴からの脱却をはかり、予見能力を養う必要があるとしている。

「汝(自分)自身を知れ」ソクラテス

そうなんです!これからは、哲学の時代が到来します。

心=資本主義時代においては、「脳システム」の学習が新しい常識となります。

すなわち、自分の脳システムが自分づくりをするすべての責任は「自分の脳みそが決めた」という責任感を常に持つことになる。

脳システムの進化は、まず大脳をもたない爬虫類以前では、生物は「たくましく」生きてきた。そして、人間以外の哺乳類や鳥類などは、小型の大脳(知恵)を持つようになり「たくましく」に加えて「うまく」生きるようになった。最後に出現した人間は、大脳が発達し、「たくましく、うまく」に加えて、より「よく」という向上心を持って生きるようになった。

脳システム自体は、本来「自分でする」仕組みになっており、これからの人材は、「自分で自分のことができる人」として、他人から採用してもらう(与えてもらう)必要のない他人依存症を克服した人間です。

具体的には、「企画能力」(仕事を創り出す能力)を身に付けることが不可欠であり、好きで、面白くて、やめられなものを仕事にすることである。

エジソンは、死ぬ前日まで研究を続けてたという。

なんと既に「他人依存症」にどっぷりつかってしまっている大人でも今からできることがあります。
それは、生涯衰えることがないと言われている前頭連合野の機能を鍛えることです。

子供が好きなこと、面白いこと、楽しいことに夢中になるように、大人もあたかも子供のように熱中してみることで、前頭連合野の「自我」が働き出すそうです。

これからの時代に、ゴミにされてしまわないように、この機会に本書で「資本の原理」「人間の原理」を学び、新たなチャレンジして素敵な人生を自分の力で切り拓いていかれることを心から願っています。

私も早速、企画能力を磨くとともに寝食忘れるほどに熱中できることを見つけて「たくましく、うまく、よりよい人生」を歩んでいきたいと思います(^^♪